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「“当てる”とはこういうことか」 アジアへの日用品販売のパイオニア 越境ECも開始

8/7(月) 7:15配信

SankeiBiz

 日本製の日用雑貨・食品は品質が高く、中国の消費者から絶大な信頼を得ている。訪日中国人客が大量に商品を購入する消費行動は数年前から「爆買い」と言われ、社会現象となった。ブレインストーミングの植田利枝社長は、まだ爆買いという言葉がなかった2009年に周囲の反対を押し切って、中国向けに日本製品の輸出事業を成功させたパイオニアだ。これまでは卸売り中心だったが、今月中に個人向けの国際的な電子商取引(越境EC)サイトの運営を新たに始める。

 ◆日本ブランド強み

 まもなく立ち上げる越境ECサイト「もしもしJAPAN」は中国の個人消費者向けに日本製日用品・食品を販売するだけでなく、訪日客向けの美容外科ツアーなどの体験商品も取り扱う。ナショナルブランドのほか地方の特産品もラインアップに加える。

 モール出店型店舗を除くと、幅広い日本製日用品を対象とする中国の越境ECサイトは10に満たない。しかも経営者はほとんどが中国人だ。植田社長は中国にサーバーを配置、保税倉庫に商品を在庫しておき、現地の宅配業者が消費者へ届ける仕組みを作り上げた。

 すでに中国で卸売業を手掛けてきたことから、仕入れルートを確立しており、他社に比べて価格競争力に強みがあるという。偽物が横行する中国市場で、「日本人であることをブランド化することが有効だ」と考え、日本人による経営という信用力を前面に出すために現地法人名を「上海植田利枝貿易有限公司」、ECのURLもwww.rie-ueda.comとした。

 もともと専業主婦だったが、商社を退職した夫が06年に鉄鋼輸出のコンサルティング会社を立ち上げ、植田社長も後に役員となる。経営が厳しく新規事業を模索していた08年、中国の大手IT企業アリババのビジネスツアーに参加して市場の有望性に注目する。市場調査をして子供向け商品のニーズに気付き、翌年中国向けに日本製ベビー用品を卸売りする事業を立ち上げた。

 ◆初回から“当てる”

 「売れるはずがない」と周囲の人は反対したが、70万円の資金を元手にドラッグストアで台車に積み込むほどの粉ミルクを買い付けて、郵便局から発送した。個人輸出のように事業を始めたが、初回から仕入額の2倍を売り上げた。「“当てる”とはこういうことなのか」と実感する。1年半後には月商2800万円の急成長を遂げるとともに、取扱商品も増やしていった。12年6月、離婚を機にブレインストーミングを設立。その後、沖縄・尖閣諸島問題で注文が全てキャンセルになるなど日中間の政治問題に苦労しながらも事業を展開してきた。

 中国以外にも、18年までにアジア10カ国に進出する。その第1弾として今月タイで一般消費者向け越境ECサイトを立ち上げる。「日本製品を世界中に提供し、便利で快適な生活を実現させる」と精力的に事業拡大を図っていく。

最終更新:8/7(月) 7:15
SankeiBiz