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米国ドラマ「ツイン・ピークス」25年ぶりに復活 熱狂の再来なるか

8/6(日) 8:00配信

産経新聞

 25年前、全世界で大ヒットした米ドラマ「ツイン・ピークス」。田舎町の美人高校生殺人事件から展開する謎めいた物語にファンは熱狂した。最終話で殺された少女ローラが「25年後にまた会いましょう」と言った言葉の通り、今年新たに続編の「ツイン・ピークス The Return」の放送が始まった。日本ではWOWOWが放送。宣伝のため主演俳優のカイル・マクラクラン(58)も来日。熱狂再び、となるか。

■米国ではすでにヒット!

 新シリーズは、旧シリーズに続き、映画「エレファント・マン」の監督などを務めたデビット・リンチが製作指揮と監督を兼任し、主人公のクーパー捜査官役のカイル・マクラクラン、ローラ役のシェリル・リーなどオリジナルキャストが集結している。

 日本では7月下旬からWOWOWが放送(毎週土曜午後9時から2カ国語版、金曜午後11時からは字幕版)。月間加入者数が前年に比べ大幅に増加するなどの反響があるといい、担当者は「1話ごとの番組視聴者数は、ハリウッド映画の最新作を放送するのと同じくらい。ストーリー展開に合わせてもっと伸びそうだ」と手応えを感じている。

 1990年に米国で放送された旧シリーズでは、事件捜査を担当するFBIのクーパー捜査官によって、のどかな田舎町「ツイン・ピークス」の暗部が徐々に明らかになり、「悪霊」とされる存在に肉薄していった。

 が、視聴率の低下を背景に放送は打ち切られてしまう。全ての謎が解明されたとは言い難く、視聴者には不満が残る結末となった。

 今回放送される新シリーズは全18話。異世界に迷い込み「悪霊」に乗っ取られたクーパー捜査官のほか、新旧のキャラクターが多数登場する。舞台はツイン・ピークスの町に留まらず、ニューヨークやラスベガスにも広がっていく。

 WOWOWによると、今年5月に米国で初回が放送された際、170万人以上の視聴者数を記録したという。

■予想できない展開

 「ずっとクーパーに戻りたかった」。新シリーズの日本公開イベントに合わせて来日したマクラクランは、東京都内で産経新聞社のインタビューに応じ、新シリーズにクーパー捜査官として再出演する喜びを語った。

 「自分を役者として成長させてくれた役であり、とても愛着がある。25年ぶりにオファーが来たときは、まずスーツが入るか心配したけれど」

 リンチ以外が監督した話もある旧シリーズと違い、新シリーズは全話通してリンチが監督。俳優陣には全18話分の脚本があらかじめ渡され、8カ月ほどかけて一気に撮影された。

 「夢に出そうなほど刺激的な撮影だった。物語は旧シリーズをただなぞるだけでなく、新しい方向性が見られると思う」と期待をあおる。

 気になる展開については「ネタバレはできない」と口を閉ざす。が、「今回、私にはクーパー捜査官のほかにも演じている役がある」と明かす。

 「ストーリーを理解するのに集中力が必要かもしれないが、新旧両方のファンが楽しめるつくりになっている。ぜひ独特の奇妙な世界に浸ってほしい」とアピールした。

■数々の伝説を再び

 「ツイン・ピークス」シリーズは、「ピーカー」と呼ばれる熱狂的なファンを生んだ。

 日本では、WOWOWが91年の開局とともに放送をスタート。謎めいた世界観とともに、ドラッグや家庭内暴力、近親相姦と、それまでの日本のTVドラマにはなかった過激な内容が話題を呼び、たちまち人気を集めた。

 クーパー捜査官が食べるチェリーパイが評判となって、女性誌が「チェリーパイのうまい店」を特集したり、ドラマの舞台となった米ワシントン州の小さな町へのツアーが組まれたり、タイトルが流行語大賞に登場したりと社会現象化。放送開始翌92年のWOWOW加入者は100万件以上となり、その1割が「ツイン・ピークス」見たさだったと言われる。

 再び四半世紀前のような熱狂を呼び起こすのか。

 同志社女子大の影山貴彦教授(メディアエンターテインメント論)は「テレビ離れが叫ばれる昨今、かつてのキラーコンテンツが持つ力は大きい。“ピーカー”は再びテレビの前に戻るだろう」と予測する。

 オカルト色の強い「ツイン・ピークス」は現在、日本で人気のあるアクションや科学捜査を重視した米国サスペンスドラマの主流からはやや外れているが、「若い世代にはかえって新鮮に受け入れられるのではないか」と話す。

 「かつてのファンの子世代をも取り込み、幅広い層からの支持を得られればブームが再来する可能性がある」と指摘する。(文化部 三宅令)

最終更新:8/6(日) 8:00
産経新聞