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なぜ、マスコミはS&P500株価指数よりNYダウの値動きを報じるのか

8/6(日) 18:15配信

投信1

8月5日の日経電子版は、雇用統計が良い結果だったので、NYダウが続伸した、というニュースを流しています。今回は、NYダウって何?  どうしてNYダウが注目されるの?  ということを考えてみましょう。

NYダウは、30銘柄の単純平均

NYダウは、ダウ・ジョーンズ社(Wall Street Journalなどを発行しており、日本で言えば日本経済新聞社のイメージ)が発表している株価指数で、米国版日経平均株価指数のイメージです。もちろん、実際は逆で、日経平均株価が昔は「日経ダウ」と呼ばれていたことからわかるように、日経平均がNYダウを真似ているのですが(笑)。

日経平均は、日本経済を代表する225銘柄の平均を指数化したものですが、NYダウは米国経済を代表する30銘柄の平均を指数化したものです。戦前から連続している指数ですが、企業の栄枯盛衰を映じて、30銘柄は、時々入れ替わりますので、その時々の代表的な銘柄が常に入っていると考えて良いでしょう。

30銘柄の株価を単純に平均したものですが、株式分割で株価が下落した場合などは、調整されます。たとえば全部の銘柄が、1株を2株に分割された場合、株価は半額になります。株主にとっては、昨日の半額の株式を2倍保有することになるので、何の損もありません。

このとき、NYダウが半分に下がってしまうと、NYダウを見た人が「株主は大損したのだろう」と誤解してしまいかねません。したがって、株式分割があった場合、「今後は単純平均の2倍をNYダウとして発表する」という扱いをするわけです。

わずか30銘柄の、しかも単純平均であることの問題も

「米国株の動向は?」と聞かれると、「NYダウは66ドル高でした」という具合に答えるのが普通です。つまり、NYダウが米国株全体の動きを表すと考えられているわけです。しかし、これは正確ではありません。

まず、何千銘柄もある米国株式市場全体の動きを、代表的な銘柄とは言え、わずか30銘柄で捉えようというのは乱暴です。30社のうちの1社が、大ヒット商品を出したり、逆に大きな事故を起こしたりすれば、NYダウは大きく影響されてしまいますから。

今ひとつの問題は、単純平均であるため、株価の高い銘柄の値動きに大きく影響されてしまうことです。

A社とB社は同規模で、A社は発行済株式数が1億株で株価が1000ドル、B社は発行済株式数が10億株で株価が100ドルだとします。A社の株が10%上がり、B社の株が10%下がったとしても、米国株全体としては、プラスマイナスゼロなのですが、NYダウは上がってしまうので、NYダウを見ている人は「米国株は好調だった」と誤解してしまうわけです。

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最終更新:8/8(火) 11:50
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