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<特選アーカイブ>イスラム国(IS)の「首都」シリア・ラッカ内部 地下活動家に聞く(4) 「ヤツを焼いたとIS戦闘員は言った」(写真6枚)

8/6(日) 6:20配信

アジアプレス・ネットワーク

◆ヨルダン人パイロット焼殺を1月8日に発信した地下活動家

2015年1月、武装組織イスラム国(IS)は、後藤健二さんを解放する代わりに、ヨルダンに収監中のイラク人女性死刑囚サジダ・アル・リシャウィの 釈放をヨルダン政府に求めた。だが後藤さんは殺害され、さらにヨルダン軍パイロットのモアズ・カサスベ中尉の焼殺映像が2月3日に公開される展開となった。だが、メディアグループ「ラッカは静かに虐殺される」の地下活動家、イブラヒム・アルラッカウィ氏は、IS戦闘員がパイロットを焼殺した話をしているのを耳にし、1月 8日にすでにその情報をツイッター上にアップしていた。2015年2月に電話でラッカに直接インタビューした記事を特選アーカイブとして掲載する。4回目。【聞き手:玉本英子】(全5回)

【関連写真を見る】イラク・ニナワ県での公開処刑で罪状が読み上げられる

(※2015年初出のアーカイブ記事。情報等は当時のまま)

俺たちはヤツを焼いた」とIS戦闘員は言った

◆ラッカ市内で日本人人質の情報や噂はなかったということですが、ヨルダン人パイロット(モアズ・カサスベ中尉)についてはどうですか?アラブメディアによるとあなたが世界で最初に、パイロットの焼殺を報じたということですが、どうやってその情報を得たのでしょうか?

アルラッカウィ氏: 安全上の理由から、ラッカのどこで聞いたのかは言うことができませんが、ISの戦闘員が笑いながら私の所にやって来て、「俺たちはヤツを焼いたぜ」と言う のです。嬉しそうでした。他の2人の戦闘員がやってきて「誰を焼いたんだよ?」と彼に聞きました。すると「ヨルダン人のパイロットを生きたまま焼き殺した のさ」、「処刑の時、その場所にいてこの目で見た」と言うのです。

私はこの話を聞いた時、何のことかよくわからず混乱しました。その2人の戦闘員も「嘘だろ」と言ってその話を信じませんでした。でも彼は、「本当に 自分はそこにいた、何百万回でも誓う」と言うのです。私は、イスラムでは人を焼き殺すことはしないので、彼らがウソを言っているのではないかと思いまし た。いくらISでもそんなことはしないだろうと思ったのです。ですからその時の自分のツイッターでは、「ISがヨルダン人パイロットを処刑したと言ってい る」と書くだけに留めました。もし彼らが認めたら、事実だろうし、認めなかったら確認できない話ということにしました。

◆あなたがその話を聞いたのは、いつのことですか?

アルラッカウィ氏:1月8日でした。ラッカです。
※ヨルダン政府は、カサスベ中尉は1月上旬にはすでに殺害されていたと発表している。

◆昨年8月、イラク北西部のシンジャルをISが制圧し、少数宗教のヤズディ教徒(ヤジディ教徒)の女性たちがISの支配地域に連行 されました。私はラッカなどから逃れてきたヤズディ教徒の女性たちを取材しましたが、拉致された多くが強制結婚や「性奴隷」として売られていました。あなたはラッカで拉致されたヤズディ教徒たちを見たことがありますか?

アルラッカウィ氏:はい、何人か見たことはあります。それは学校に空爆の爆弾が炸裂したとき のことでした。校舎の中にいた多くの女性たちが、民家に逃げようとしました。彼女たちはヤズディ教徒でした。皆、ベールをかぶっていたので顔は見えません でしたが、私の近くで起きたことでした。ISのバハルンサフィ・エミール旅団が地区を取り囲み、女性たちを捕まえていました。

◆それ以外でヤズディ教徒の女性たちのことを見たり、聞いたりしたことはありますか?

アルラッカウィ氏:いいえ、ラッカではヤズディ女性は普通の住民の所にはいないのです。私はISの関係者を直接知りませんから、家などを訪問した時にそういう女性がいるのを見たことはありません。彼女たちは、IS戦闘員のためだけにラッカに連れ て来られ、常に監視の下に置かれているのです。(つづく)

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