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「困っている部下の力になりたい」 ゲイだとカミングアウトを受けた上司が、彼にかけた言葉

8/6(日) 7:00配信

BuzzFeed Japan

「抱えているものは重かったんだな、と思いました」。BuzzFeed Newsにそう話すのは、金融大手ゴールドマン・サックス証券の法務部長である藤田直介さん(54歳)。2015年、部下の稲場弘樹さん(51歳)からカミングアウトを受けた。知り合って13年目だった。【BuzzFeed Japan / 瀬谷 健介】

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ゲイであるとカミングアウトを受けたのは、稲場さんが初めて。2人は、それをきっかけに、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーら、LGBTの人たちの支援に向けて、大きく舵を切ることになる。

両親には告げられなかった稲場さん

稲場さんは、社内にある藤田さんの部屋で前触れなく切り出した。

部下からの告白に、藤田さんは「何か嫌なことがあったら言ってきてね」と優しく声をかけた。「大げさではない、さらっとした」対応に、稲場さんは嬉しく感じた。

それまで藤田さんは、LGBTの当事者たちを積極的に理解しようとする姿勢を見せていた。

LGBTを理解・支援しようとする人「アライ(Ally)」の証となる卓上カードを、誰もが見えるようにデスクの上に置いたり、LGBTに関する話題を部下に積極的に話したり…。

「アライとして一生懸命いろいろ取り組んでいるのを見て、カミングアウトをしたいと思うようになったんです」

そう振り返る稲場さんは、亡くなった両親や周囲に告げられないほど、当事者であると知られることをずっと恐れていた。藤田さんは、当時の様子をこう振り返る。

「雲が晴れたような表情で、肩の荷が下りたように見えました。抱えているものは重かったんだな、と思いました」

カミングアウトが変えた積極性と生産性

カミングアウト後、稲場さんは驚くほど変わった。

社内の当事者とアライが入ってLGBTを支援する任意参加の「LGBTネットワーク」に積極的に参加し、共同代表にも就いた。

藤田さんは、積極性の他に業務の生産性も格段に増した、と強調する。

「法律家として、もともと知識や経験は豊かでした。一方で、管理職として必要なリーダーシップの面で遠慮しており、積極性に欠ける印象がありました。ですが、カミングアウトしてからリーダーシップを発揮するようになったんです」

「さらに、時間が経過するごとに、仕事の生産性がどんどん上がっていきました。数値化することは難しいですが、現時点で2倍以上になっていると思います」

説得力のある文章が書けるようになったとも褒められ、稲場さんは照れながら言う。

「たしかに積極性が増しました。ネットワークの活動を積極的にやっていきたかったのもあって、カミングアウトしました。僕がすべてリードしていくんだ、と思っていました」

「カミングアウトしてから人前で話すことも増え、どんな会議でも発言できる、と自信につながりました」

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最終更新:8/6(日) 7:00
BuzzFeed Japan