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リニア中央新幹線、茨城に「川」を製作 73mの巨大模型で「100年に一度」を実験

8/6(日) 11:10配信

乗りものニュース

60分の1サイズで再現して73m

乗りものニュース

 500km/hで走る超電導リニアモーターカーを用い、2027年の品川~名古屋間開業を目指しJR東海が建設を進めている中央新幹線。それに関する「大量の水を使った実験」が茨城県つくば市で行われており、2017年7月27日(木)、その内容をJR東海が報道陣へ公開しました。

【航空写真】天竜川を斜めに横断するリニア中央新幹線

 超電導リニアの開発は、走行試験や体験乗車が行われている「山梨実験線」を中心に進められていますが、JR東海がつくばで行ったのは、中央新幹線の「橋」に関する実験です。

 長野県の飯田市と喬木(たかぎ)村の境界を流れる天竜川。そこへ架けられる中央新幹線の天竜川橋りょうが河川全体へ与える影響を把握するため行われたもので、その橋が架かる付近の川の模型が60分の1サイズで製作されました。橋を架けると、その橋脚で水の流れが速くなり堤防に影響を与える、といった可能性があります。

 60分の1とはいえ、長さ4400m、幅400mにおよぶ範囲をモデルにしているため、サイズは長さ73m、幅6.7mと巨大。そこへ最大で毎秒151リットルの水を流し、実験が行われました。この水量は、実際の河川流量に換算すると毎秒4200立方メートル。100年に一度起こる可能性がある洪水の流量だそうです。

天竜川橋りょうは特別に実験 そのワケは

 この実験の結果、100年に一度レベルの洪水でも、橋脚付近で河床が掘られる現象(洗掘)がみられるものの、それによる橋の下流側における状況に変化はほとんど生じていないことが分かり、「新設橋りょうによる、河床変動や護岸構造物などへの影響はない」という評価になったそうです。多くの流木が発生し、橋脚へ引っかかった場合に堤防へ与える影響も確認されています。

 JR東海によると、中央新幹線の橋りょうでこうした実験を行うのは天竜川のみとのこと。斜めに川を横断すること、河川管理者である国土交通省中部地方整備局より「過去の出水時に架橋予定地付近で大きな河床変動があった」という情報を得たため、といいます。橋を架けるにあたって、基本的には川と直角に交わる形にしたいそうですが、この天竜川橋りょうは63度で交差。60度より大きければ問題ないとされるものの、その影響が実験されました。

 リニア中央新幹線の天竜川橋りょうは、「5径間連続プレストレストコンクリート連続箱桁橋」という構造で、川の部分に4基の橋脚が設けられます。橋の長さは514.8m。山梨県内の釜無川橋りょう(751m)に続き、中央新幹線で2番目に長い橋です。またこの実験はパシフックコンサルタンツ(株)のつくば技術研究センターで行われ、2017年4月に終了しています。

恵 知仁(鉄道ライター)