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子どもは、親の顔色を一生懸命うかがっている。しつもんメンタルトレーニング後編

8/6(日) 11:50配信

VICTORY

どんな親御さんも、「子どもがすべて」と考えていることでしょう。でも、その強すぎる思いが、お子さんから主体性を奪っていたら? 子どもが、親御さんの顔色をうかがって過ごすことは、誰しも望んでいないはずです。前編に引き続き、しつもんメンタルトレーニング・藤代圭一さんにお話を伺いました。(取材・文 大塚一樹)

子どもに過剰な期待をかける“空の巣症候群”

子育てを終えた40代、50代の親に多く見られる精神の不調を「空の巣症候群」と呼ぶ。子どもにすべてを捧げた親が、子どもの自立、独立とともに文字どおり“すべて”を失い、言いようのない虚無感や孤独を感じ、精神のバランスを崩してしまう。

かつては、子どもの成績や良い学校への進学のために自分の人生をかける“教育ママ”、芸能界への夢を子どもに投影する“ステージママ”の行き過ぎた厳しさとある種の過保護ぶりを揶揄する向きもあった。だが少子化が進み、子ども一人にかける思いが強くなったからなのか、勉強、芸能、スポーツなどありとあらゆること、子育て自体に自分の存在意義を懸けているような入れ込みようの親が増えているという。

多くの場合、親本人はその状態に気づいていない。親が子どもを心配するのは当たり前だし、可能性があるならそれを伸ばしてやりたいと思うのは普通のことだ。うつ病治療を行っているクリニックに取材に行ったとき、スポーツが子どものうつ病の原因になるケースが増えていると聞いた。

「親が、子どもの様子がおかしいと連れてくるんです。たしかに子どもにうつの症状は見られる。でもそれ以上に、連れてきたお母さんの精神状態が不安定なケースが多い」

レギュラーから外されたことが原因で、子どもがスポーツを辞めてしまった。それからふさぎ込んでいる。異変を感じた母親の訴えはこうだった。しかし、別室で子どもだけに話を聞くと、「レギュラーから外れたこと」よりも「それをお母さん、お父さんが悲しんでいること」「それについて両親から言われる言葉」の方が辛いのだという。

心のどこにどんな負荷がかかっているかを知ることは、うつ病を含む気分障害の治療の第一歩だ。場合によっては、子どもより優先して両親の治療を行なわなければいけないケースもある。

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最終更新:8/6(日) 11:50
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