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高温対策フィルム 赤外線反射 2度抑制 ハウスに上部展張 可視光透過、放熱なし 千葉大など開発

8/6(日) 7:01配信

日本農業新聞

 施設園芸の高温対策として、千葉大学などが高機能性被覆資材を開発した。熱源となる赤外線を反射し光合成を促す可視光を通す赤外線反射型フィルムと、青色光の割合を高めた光調節資材の2種類。反射型フィルムは春から夏にかけ、上部展帳でハウス内の昇温を約2度抑える効果を確認。内張りカーテンでの利用でも昇温抑制効果が見込める。トマト、イチゴ、サヤインゲンなどで実証試験し、利用技術マニュアルの作成に取り組む。

 地球温暖化の影響を受け、夏の高温対策は施設園芸で急務の課題。農水省事業を活用し、同大や農研機構、熊本、沖縄両県の公立研究機関、資材メーカーなどが高機能性被覆資材コンソーシアムを組織して、2016年度に研究を始めた。

 赤外線反射型フィルムは大手繊維メーカー帝人の技術を生かして開発。少しずつ反射特性が異なる素材を約300層重ねたフィルムで、400~800ナノメートルの可視光は90%通すが、熱源となる赤外線を40%反射する。

 赤外線を吸収し可視光を通す赤外線カットフィルムが市販されているが、同大の後藤英司教授は「可視光の透過率が低い」と指摘。熱線を吸収するため、フィルムが温まり放熱する性質もある。開発した反射型フィルムであれば放熱がなく、さらに昇温抑制効果が高い。

 試験では、ハウス上部に展張すると春~夏で約2度の昇温抑制効果があった。夏秋トマトでは総収量の増加や、高温で発生しやすい放射状裂果が少なく、販売できる果実の収量が増えることも分かった。

 同大は内張りカーテンでの利用でも同等の効果を確認。ヒートポンプと併用すると、電気代が約2割削減できたという。

 光調節資材は同大とダイオ化成がホウレンソウの徒長防止用に共同開発し、昨年から試験販売する青色ネット。特殊顔料を配合し、赤色光より青色光の透過率を高めた。小松菜栽培や高温期のイチゴ育苗に使い、徒長抑制や葉の品質向上、開花調節、機能性成分の増加、着色促進などの効果に期待している。

 両資材の耐候性を高めるなど改良を進める一方、熊本県で夏秋トマト栽培とイチゴ育苗、沖縄県でトマトとサヤインゲン栽培を試験し、来年は農家で実証試験する。

日本農業新聞

最終更新:8/6(日) 7:01
日本農業新聞