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GDP政府目標上回る 好調・中国経済、今秋の共産党大会以降は慎重論高まる

8/6(日) 18:00配信

日刊工業新聞電子版

■自動車各社「まだ需要があり、長期的に伸びる」

 中国市場で日本メーカーの業績が好調だ。同国の2017年1―6月の国内総生産(GDP)は前年同期比6・9%増と政府目標を上回って推移している。日本メーカーの間では秋に開かれる5年に一度の中国共産党大会までは好調な経済が持続するとみる。ただその後については慎重な見方もある。

 トヨタ自動車の中国での販売は順調に拡大している。2016年は販売台数約121万4200台(前年比8・2%増)と過去最高。17年1―6月も過去最高の同約62万4000台(前年同期比5・4%増)で好調だ。

 グループ世界販売台数が年間1000万台超のトヨタだが「伸びているのは中国くらい」(トヨタ首脳)と重要な市場。中国では年間販売台数200万台の目標を掲げており、市場の状況を見極めながら確実に需要を取り込む構えだ。

 ホンダは「内陸部ではまだまだ需要があり、長期的に伸びる」(八郷隆弘社長)と中国市場の成長性に期待を寄せる。同社は中国で17年に134万台の販売を計画。5年連続の過去最高を狙う。日産自動車も18年3月期に前期比9・3%増の148万台を見込む。

■NEV規制、18年にも導入

 ただ、現地では17年1月の小型車への減税幅縮小などを背景に、減速感も漂う。欧州や地場メーカーを含めた販売競争が激化し、収益性低下の懸念もある。日産の西川広人社長は「いかに収益性を落とさず、販売を伸ばすかがポイント」という。

 また中国政府は車メーカーに販売台数の一定数を電気自動車(EV)などの新エネルギー車(NEV)とする規制を早ければ18年にも導入する構え。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)など電動車の開発・販売が喫緊の課題だ。このため、ホンダは18年に中国専用EVを発売、日産も18年以降に廉価版EVなどを投入する計画だ。

■スマホ部品堅調、政府政策に警戒感強く

 日立製作所の17年4―6月期は営業利益が同期として過去最高となったが、通期予想は据え置いた。「中国景気が不透明」(西山光秋最高財務責任者〈CFO〉)なことが理由の一つだ。

 中国では高層ビル建設ラッシュが落ち着き、高価格帯エレベーターの需要は減少。同国の不動産市況の動向は、日本の重電メーカーのエレベーター事業に影響を与える。

 中価格帯製品の需要は底堅く推移する見通しで、各社は新製品投入などを活発化し事業拡大をもくろむ。しかし不動産投資の伸びは鈍化、エレベーターの価格競争は激しくなっている。さらに市況が悪化すれば各社は戦略の見直しを迫られる。

 電子部品メーカーは中国スマートフォンメーカー向けの受注が底堅い。登坂正一太陽誘電社長は「ハイエンド(高級)製品の供給を本格化していく」方針を示す。

 また今後はスマホに加え電気自動車(EV)の需要にも期待が集まる。ただ中国事業をめぐっては「過去に需要の減少に伴う在庫調整で痛い目を見た」(サンケン電気)だけに各社の警戒感は強い。アルプス電気は4月、EV向け需要の拡大を睨み中国工場増設を決めたが、「(EV市場は)政府の政策にも左右される」と慎重に生産規模を探っている。

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