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日本近海、眠る豊富な資源 探査船「ちきゅう」など活躍 徐々に分布解明

8/6(日) 11:40配信

デーリー東北新聞社

 日本の近海に眠るとされる豊富な海底資源。海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)などの調査により、近年になって分布状況や生成過程(成因)が明らかになってきた。八戸港とゆかりの深い地球深部探査船「ちきゅう」、関根浜港(むつ市)が母港の海洋地球観測船「みらい」も調査に従事。ちきゅうの八戸沖の掘削では、エネルギー資源の生成に微生物が関与している可能性を示す研究成果を挙げた。政府も国内の研究機関をまとめたプロジェクトを立ち上げ、将来の資源開発につなげる考えだ。

 最も商業化が有望なのがエネルギー資源のメタンハイドレート。メタンと海水が結晶化したドライアイスのような物質で、「燃える氷」とも呼ばれる。資源量は不明ながら、八戸沖でも存在が知られる。

 平成30年代後半の商業化を目指す国は4~6月に愛知県沖でちきゅうによる産出試験を実施。同海域だけで日本の天然ガス消費の11年分が眠っているとされており、試験を踏まえた商業化の検討が注目される。

 ちきゅうは2005年の完成後に八戸沖で初の試験を行うなど、八戸港とゆかりが深い。11年3月の東日本大震災も出港準備中の八戸で遭遇している。

 06、12年の八戸沖掘削では、海底下に大量の微生物を確認。メタンハイドレートや天然ガスの元となるメタンを生成する古細菌(アーキア)も含まれており、資源形成に関与している可能性を突き止めた。

 15年に研究成果を発表した同機構・海洋掘削科学研究開発センターの稲垣史生センター長代理は「八戸沖の海底には肥沃(ひよく)な生命圏が広がっている」とする。

 一方、レアメタルを含む鉱物資源では(1)海底熱水鉱床(2)コバルトリッチクラスト(3)レアアース泥―などが知られている。(1)は海底から噴出する熱水に含まれる金属成分が海底に沈殿したもので、沖縄県沖や小笠原諸島周辺に分布。ちきゅうの掘削などで成因の解明が進んでいる。

 (2)はこれまで日本から1800キロ離れた遠い場所でしか見つかっていなかったが、6月に房総半島から350キロで確認された。東京都の半分ほどの広さに分布しており、機構は「成因解明などの調査が進みやすくなった」としている。

 (3)は6年ほど前に存在が確認された。その後、みらいなどが音響調査や試料採取で分布状況などを調べている。みらいは本来、海洋や気象の観測が任務だが、最近は資源調査にも活躍の場を広げている。

 鉱物資源量は国内消費の数百年分に相当するとみられる半面、深い海底にあるため商業化へのハードルは高く、調査・研究の段階にとどまるのが現状だ。

 将来的な開発につなげようと、政府は14年に「海のジパング計画」をスタート。資源を効率的に探す技術の確立が目標で、同機構や産業技術総合研究所、大学などが参画している。

 資源に乏しい日本。こうした海底資源を開発できれば、輸入に頼らない自給体制の確立につながる。

デーリー東北新聞社