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GT300予選《あと読み》BMW勢予選上位独占も、複雑に絡み合うGT300の勝利への条件

8/6(日) 11:46配信

オートスポーツweb

 BMW M6 GT3のフロントロウ独占! スーパーGT第5戦富士の公式予選を終えた後、パドックではポールポジションを獲得したARTA BMW M6 GT3のピットはもちろん、2番手となったStudie BMW M6のピットにも、鈴木康昭代表や荒聖治を祝福するゲストやファンがひっきりなしに訪れていた。BMW M6 GT3はこれまで日本導入以降、ARTA BMW M6 GT3が昨年の富士で勝利を飾ってはいるものの、なかなかうまく結果が残せずにいた。ARTAも大きなクラッシュが多く、それを思い出した高木真一は、予選後のインタビューで涙をみせた。

【写真】苦手な富士で速さをみせたSUBARU BRZ R&D SPORT

 一方、Studie BMW M6もこれまで苦労を積み重ねており、祝福に訪れる人々が多かったのもうなずける。今季Studie BMW M6はオートポリスをはじめ速さをみせてきたが、初のフロントロウを獲得できた要因はなんだったのだろうか?

「去年よりもセットアップが進んだということもありますし、持ち込んだタイヤがうまくハマったということですね。実は、去年がちょっとイレギュラーで、本当は8月の富士のレースはもともと路気温が低いんです」というのは、Studie BMW M6の高根裕一郎エンジニアだ。

「性能調整的にも、このBMW M6 GT3はハイスピードコースの富士に合っている」

■GT300決勝の予測ははっきり言って不可能!
 とはいえ、決勝でもBMW勢が逃げ切れるかどうかは分からない。正直、GT300の状況ははっきり言って“混沌”だ。高根エンジニアも「分かりませんね」と言えば、「表彰台はいきたいですね。ただ、スタートからどんな展開になるかは正直分からない。そのなかでその場その場でベストを尽くさないと」と荒聖治も語る。

「ロングランも速いクルマがいるので、僕たちがどれほどいいペースが保てるか。表彰台は立ちたいし、このM6になってからいちばんいいポジションからのスタートなので、それは活かしたいですね」

 BMW勢後方の予選上位陣に目を向けると、2列目につけるのは今季好調のメルセデスベンツAMG GT3勢だ。グッドスマイル 初音ミク AMGが3番手、LEON CVSTOS AMGが4番手につける。

「それにしても混戦ですよね。天気も難しいし、JAF-GT勢もいろいろやってくると思うし」というのは、グッドスマイル 初音ミク AMGの河野高男エンジニア。ちなみにグッドスマイル 初音ミク AMGは、Q1で谷口信輝が履いたタイヤではQ1突破は難しい状況だったというが、そこを腕でカバーし、Q2の片岡龍也に繋げ、決勝で条件が良さそうなタイヤを履けることになったのだとか。このあたりはチーム力、ドライバーふたりのポテンシャルの高さも予選順位に現れている。

「でもまわりがどうなるか分からないし、ブリヂストン勢も強い。ポルシェ勢も決勝は速いと思うし、まわりがどう来るかだよね」

■JAF-GT勢中心に無交換&2本交換も!?
 では、河野エンジニアの意見にも出たJAF-GT勢はどうだろうか。マザーシャシー勢も、リストリクター径アップでポテンシャルを増したTOYOTA PRIUS apr GT勢も、さらに苦手な富士で速さをみせたSUBARU BRZ R&D SPORTも、要注目存在だろう。

 特に、マザーシャシー勢は“伝家の宝刀”タイヤ無交換作戦も出る可能性がある。また、JAF-GT勢もタイヤ2本交換による作業時間短縮があり得そう。ただ、それでGT3勢の前に出てくるかというと、それもまた分からない。

 MC勢は予選最上位がVivaC 86 MCの12番手で、レース序盤混戦のなかを戦わなければならないし、そうなると無交換のメリットも減る。「今回は1ポイント獲れればボーナスだと思っている」というのはVivaC 86 MCの土屋武士監督だ。ちなみに、GT3勢でも無交換をやるチームがいるかもしれない。

 複雑に絡みあう車種別の得意・不得意、さらに混迷を極めるタイヤの差による状況は、はっきり言って予想は不可能。現代のスーパーGTのタイヤは、路面温度/気温が少し変わるだけで車種とタイヤの組み合わせは速さが変わるし、ライフも変わる。『天候次第』の面も強いのだ。

 さらに中盤戦を迎えて積み重なったウエイトハンデが、輪をかけて予想を困難にする。話を聞いたチーム関係者の誰もが「決勝は分からない」と口を揃えた。

 というわけで、ここまで読んでいただいた皆さんには恐縮だが、“道具”の面では、予選はBMW勢が速かったが、決勝はまったく読めないということをお伝えしておこう。最終的に勝負を決するのは、いつもどおりレースを読む力と、高いペースでラップを刻むことができるドライバー力になる。だからこそ観ている側は面白いのではあるが。

[オートスポーツweb ]