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ベトナム、大気や水質汚染深刻化 排ガス・粉塵規制や排水処理投資が急務

8/8(火) 7:15配信

SankeiBiz

 ベトナムは、都市部の環境汚染が深刻化している。同国天然資源・環境省が7月に発表した「2016年国家環境報告書」によると、昨年は微小粒子状物質「PM2.5」や粒子状物質「PM10」が基準値を上回る日が各都市の平均で70日以上に達した。大気汚染に加え、水質や土壌の汚染も進んでいると指摘される。国営ベトナム・ニューズなどが報じた。

 大気汚染については、都市部のなかでも首都ハノイがある北部地域で11~3月の冬季にPM2.5やPM10の測定値が悪化しているという。

 水質汚染も深刻だ。都市部790地域のうち、環境基準に見合う排水処理システムを備えているのはわずか42地域だった。ハノイでは、適切に処理される生活排水が全体の20.6%にとどまっており、測定した地下水の46%でヒ素濃度が基準値を上回った。

 都市部では固形廃棄物の85%が回収され、埋め立てや焼却処分されているものの、ほとんどの埋め立て処分場や焼却場は環境基準に達していないと指摘される。

 同省の幹部は、大気汚染について、国内保有台数が4700万台に上る二輪車や300万台の四輪車からの排ガスに加え、建設現場などから発生する粉塵(ふんじん)が主な原因とみている。都市部で人口が拡大する一方で、排水や廃棄物の処理システムの整備が追い付かず、水質や土壌の悪化に加え、洪水の原因となっている。

 同報告書は、大気汚染に対処するため、関係当局が排ガス規制の強化や建設現場における粉塵飛散の防止といった対策を講じるべきだと提言している。さらに、最新技術を導入した排水処理設備を設置するなど、都市部での排水処理能力を高めるために予算を投じる必要があるとの見解を示した。

 同報告書には、中部ハティン省で台湾系企業が建設する製鉄所からの排水により周辺沿岸部で魚が大量死した事件など、昨年に重大な環境汚染を引き起こした事例も掲載された。天然資源・環境省は、このようなことを繰り返さないよう過去の事例を教訓にすべきだと強調した。(シンガポール支局)

最終更新:8/8(火) 7:15
SankeiBiz