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分裂騒動収束のビットコイン、新宿マルイで決済可能に

8/7(月) 15:52配信

ITmedia ビジネスオンライン

 「仮想通貨『ビットコイン』の分裂危機が注目を集めていたが、その危機は過ぎ去った。今後はファッション業界でもビットコイン決済を普及させたい」――ブロックチェーン企業最大手bitFlyerの加納裕三社長はこう話す。

【ビットコイン決済の様子】

 bitFlyerは8月7日、丸井グループのデパート・新宿マルイ アネックス(東京都新宿区)へのビットコイン決済の試験導入を開始した。女性客の多い同店舗への導入により、全体の20%程度にとどまる女性のビットコインユーザーをさらに増やす狙いがある。実施期間は10月31日まで。

 加納社長は「独自のクレジットカード『エポスカード』を展開するなどFintech(IT技術を活用した金融取引技術)に注力されていることから、丸井グループを導入先に選ばせていただいた」と経緯を話す。

 「2016年までは、女性のビットコインユーザーの比率は約10%以下だったが、認知度の向上によって17年は約20%に倍増している。店舗の特性上、女性客が多い新宿マルイ アネックスへのビットコイン決済の導入により、女性への普及を促進したい」(加納社長)

 決済は、店員がタブレット上の店舗向け決済アプリに購入代金を入力すると、アプリが決済時のレートをもとに日本円をビットコインに換算。決済情報を反映したQRコードを作成する。顧客がbitFlyerが提供する決済アプリ「bitFlyer ウォレット」でQRコードを読み取ると、送金が完了する仕組み。決済に要する時間はわずか数秒だ。

 ただ、現時点ではPOS(購買データ管理)システムとは連動しておらず、「試験導入中に一定の成果を得て正式導入が決まった場合は、POS企業と交渉してデータを連動させる方向で検討したい」(加納社長)という。

 新宿マルイ アネックスの土屋充店長は「ビットコインは現在、家電量販店や飲食店を中心に導入が広がっており、今後もさらに発展していくと考えている。当店も顧客の利便性を向上するために導入を決めた」と話す。

 bitFlyerは17年4月、家電量販店大手ビックカメラの都内2店舗にビットコイン決済を試験導入。当初は訪日外国人の利用を見込んでいたが、日本人ユーザーの想定を上回る利用があり、7月26日から国内全店舗に正式導入した。

 土屋店長は「丸井グループが今後、ビットコイン決済を全店舗に導入するかは未定。試験導入期間中の顧客の反応を踏まえて検討したい」とした。

●加納社長に聞く「ビットコイン」分裂危機の実態

 昨今大きな話題を呼んだビットコインの分裂危機だが、業界では何が起きていたのだろうか。bitFlyer加納社長に見解を聞いた。

――「ビットコイン」の分裂危機が生じた経緯は。

加納社長: この問題は、利用者増などの影響で15年頃からビットコインの決済スピードが低下したことに端を発している。これにより、顧客が決済を高速化する際に必要な特別手数料が一円単位から数百円単位まで高騰した。

 「決済の速さ」「取引手数料の安さ」といったビットコイン決済のメリットが失われることを懸念したブロックチェーン企業は、取引記録群「ブロック」のサイズを小さくして決済の高速化を図ろうとする“スモールブロック派”と、ブロックのサイズを大きくして一度に大量の取引データを処理することで決済の高速化を目指す“ラージブロック派”の2派に分かれて議論を行ってきた。

 この状況を踏まえ、米投資会社Digital Currency Groupのバリー・シルバートCEOが両派閥の意見を取り入れ、ブロックサイズの上限を2MBとした新規格「Segwit 2X」を提案。約98%のブロックチェーン企業が賛同・導入した。そのため、懸念されていたブロックチェーンの運用に支障を来すほどの分岐は発生しなかった。

――では、8月1日に誕生した新通貨「ビットコイン キャッシュ」はどのような特徴があるのか。

加納社長: ビットコイン キャッシュは、Segwit 2Xに賛同しなかった、ラージブロック派に属する一部のマイナー(ブロックの生成を行う組織や個人)が独自に立ち上げた通貨で、ブロックサイズの上限が8MBと大きい点が特徴だ。ただ、発行から数日が経過した現在、シェアは2~3%程度にとどまっており、大きな支持を得るには至っていない。

――bitFlyerはビットコイン キャッシュにどう対応していくのか。

加納社長: 顧客利便性を考慮し、当社は既にビットコイン キャッシュを発行。取引にも対応している。

――bitFlyerの今後の展望は。

加納社長: 従来型のビットコインの普及に注力していく。今後はより多くのユーザーにビットコイン決済をご利用いただけるよう、コンビニへの導入なども検討・交渉していきたい。