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加計問題 獣医学部可否、下旬に大学設置審答申で再燃必至「騒動中の審査、前代未聞」

8/7(月) 14:49配信

産経新聞

 安倍晋三政権の懸案となっている学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の獣医学部新設計画問題が、今月下旬に再び山場を迎える。文部科学相に設置認可の可否を答申する大学設置・学校法人審議会(設置審)の結論が出されるからだ。野党側は追及の構えを崩さず、内閣改造で文科相に就任した林芳正氏も神経をとがらせる。一方、省内には「こんなに騒がしい中での審査は前代未聞」(幹部)と、設置審の審査への影響を懸念する声も漏れる。

 ◆文科相の決定事項

 「一丸となって努力し、失われた信頼を取り戻したい」。林文科相は就任から一夜明けた4日、同省職員らを前に、加計学園問題を念頭に決意を表明した。林氏が見据えるのは、同学園の獣医学部新設認可をめぐる設置審の答申だ。

 政府の国家戦略特区を活用した獣医学部新設については、安倍首相の友人が理事長を務める同学園が事業者として選定された。そこに「総理の意向」などと記された文科省の内部文書が表面化。官邸、内閣府、文科省の間で水掛け論が展開され、政府の信用失墜につながった。

 設置審の答申に基づく認可判断は文科相の決定事項であり、対応を誤れば、火の粉はすべて文科省にかかる。それだけに、省内でも「慎重に対処しないと再び波乱が起きかねない」と警戒感が広がる。

 ◆「再審査すべきだ」

 設置審をめぐってはさや当ても始まっている。

 今月2日に国会内で開かれた同学園の獣医学部新設計画を調べる民進党チームの会合は、緊張感に包まれた。同党の福山哲郎氏は「設置審が非公開のまま認可したら、国民は文科行政が信じられなくなる。認可ありきなら納得しない」と主張。これに対し、文科省の松尾泰樹官房審議官は「設置審はいろいろな声に左右されることなく、学術的観点やカリキュラムをしっかり審査する」と答えた。従来と同様、審査の独立性を担保するとの立場を強調したのだ。

 揺さぶりは他にもある。「国家戦略特区諮問会議にもう一度確認してもらうことは必要なのではないか」。文科省前事務次官の前川喜平氏は6月の記者会見で、設置審が同学園の獣医学部新設を認可適当と判断した場合でも、諮問会議に差し戻して再審査すべきだ-との認識を示した。

 7月の参院閉会中審査でも同様の意見が出たが、特区を所管する山本幸三地方創生相(当時)は「全くその必要はないと思う。一点の曇りもなく、ルールに基づいてやってきた」と一蹴した。

 ◆愛媛知事が注文

 安倍政権の支持率を左右しかねない同学園の獣医学部新設はどうなるのか。

 文科相は、専門家による審査結果を尊重し、答申に従うのが通例となっている。ただ、設置審の審査中に対象法人が騒動に巻き込まれるのは前代未聞だ。

 「(来春開校に向け)すでに就職が内定した教員が辞めないか心配だ。教員数が万が一、足りなくなれば、保留にもなりかねない」。文科省関係者は一連の騒動が審査に影響を与えないか懸念する。保留の場合、基準をクリアできる確約や見通しがあれば遅くとも年内に認可されることが多いが、獣医学部の関係施設の建設が進む愛媛県側の関係者にとっては落ち着かない日々が続く。

 同県の中村時広知事は3日、内閣改造を受け、こう注文を付けた。

 「(獣医学部新設の)説明が足らなければ風評影響につながる。しっかりとクリアにしてほしい」

最終更新:8/7(月) 15:55
産経新聞