ここから本文です

学校・寮など集団生活がリスクになる髄膜炎菌感染 「診断しにくい」などの特徴も

8/7(月) 11:20配信

BuzzFeed Japan

防衛大学校の寮に入っていた10代の男子学生が「髄膜炎菌」の感染により死亡した。髄膜炎菌とはどんな病原体なのか。一般の人は何に気をつければいいのか。「学校・寮などの集団生活がリスクになる」「診断しにくい」などの特徴を感染症医に聞いた。【BuzzFeed News / 朽木誠一郎】

防衛大学校の寮に入っていた10代の男子学生が死亡。8月1日の横須賀市保健所の発表によれば、原因は「髄膜炎菌」の感染。

横須賀市保健所によると、この学生は7月19日の夕方に熱っぽさを自覚し、20日の朝に発熱。昼頃に紫斑(皮下出血)などが出現し、市内の医療機関を受診、髄膜炎菌感染症と診断され治療が開始されたが、25日に死亡した。

学校関係者のうち、濃厚接触者(この学生と行動をともにしたり、接触したりした人)は学生と学校職員を含む42人で、そのうち10人が髄膜炎菌を保菌していることがわかった。現在、感染拡大の可能性は低いという。

国立感染症研究所によれば、リスクは学校や寮などの集団生活。国立国際医療研究センターの感染症医・忽那賢志(くつな さとし)氏を取材した。

忽那医師によれば、髄膜炎菌は健康な人でも鼻やのどの粘膜に存在する菌。咳やくしゃみによって人から人へうつり、鼻・のど・気管など上気道の粘膜などに感染する。そのため、学校や寮、大規模イベントなど、多くの人が集まり、共同生活をするような場所で、感染が発生しやすい。

「だから、このような機会の多い10代で、感染リスクが高いとされます。免疫力が低下している場合、また、生まれつき免疫系で重要な働きをする脾臓がなかったり、摘出したりしている場合などでは重症化しやすいとされています」

「髄膜炎菌」とはいっても、すべての場合に髄膜炎の症状が出るわけではない。約3割は上気道から血液に菌が入ることによる高熱や皮膚、粘膜における出血斑、関節炎などの菌血症の症状にとどまる。

そして、残り約7割で髄液まで菌が入ることにより、頭痛や吐き気、精神症状、発疹、項部硬直(*)などの髄膜炎の症状が出る。髄膜炎まで発展した場合、適切な治療がなされないと、その死亡率はほぼ100%に及ぶという。

*髄膜炎などの病気の特徴で、医療者により診察される。

また、一部では劇症化することも知られ、突然の発症や、急激な症状の悪化、電撃性紫斑病といった命に関わる合併症を起こして死に至る。2011年5月に宮崎県小林市の高校寮内で発生した集団感染では、15歳の男性が劇症化した髄膜炎菌の感染症により死亡している。

1/2ページ

最終更新:8/7(月) 11:33
BuzzFeed Japan