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「戦争の記憶 後世に」 奄美出身者 祖父の戦中日誌を出版

8/7(月) 13:00配信

南海日日新聞

 奄美群島喜界町荒木(あらき)出身の平田静也さん(68)=鹿児島市=が祖父武重さんの残した「戦時中日誌」を出版した。太平洋戦争末期、喜界島での激しい空襲や孫を亡くした悲しみが克明につづられ、平田さんは「戦争の記憶を風化させず、後世に伝えたい」と話している。

 武重さんは横浜市で教師をしていた戦時中の1942(昭和17)年、帰郷した。終戦後は町議会議長などを務め、75年に86歳で亡くなった。

 平田さんが実家で日誌を見つけたのは95年に帰省したとき。45年1月22日から8月16日までの分が残っていた。日記をつける武重さんの姿はよく見掛けていたが、生々しい内容に衝撃を受けた。

 爆音をとどろかせる米軍機、海岸の地雷を踏んで死んだ馬…。日誌には具体的な描写が多い。戦況が厳しさを増す中、一家に悲劇が起きたのは5月9日。機銃掃射の一発が孫の守利ちゃんを貫通し、命を落とした。生後7カ月だった。

 「集落を通る兵卒すら憎まざるを得なかった」と悔しさをつづった武重さん。終戦の8月15日は「本日無条件降伏をなしたと。哀れ哀れ。あの軍部の威勢は何所(どこ)に」と心境を記した。

 終戦から72年目の夏。平田さんが体験記をまとめたのは「戦後世代でも想像力を働かせて追体験すれば、平和の尊さを伝えられる」との思いからだ。日誌の全てに目を通し、活字にした。購入などの問い合わせは電話080(1778)1608平田さんへ。

奄美の南海日日新聞

最終更新:8/7(月) 13:00
南海日日新聞