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暴行によるシスターたちの集団妊娠…戦時中の衝撃事実と秘話を知る『夜明けの祈り』

8/7(月) 18:00配信

dmenu映画

映画の果たす役割はいろいろありますが、歴史に埋もれた戦争の事実を作品にして世に知らせるのも大きな使命と言っていいでしょう。8月5日から公開の映画『夜明けの祈り』もまた、戦争の衝撃の事実を知ることになる1作です。

主人公は、性的暴行を受けた女性たちを救った女性医師

この作品は、ひとりの若きフランス人女性医師、マチルド・ボリューが主人公。実は、彼女にはモデルがいます。その人物はマドレーヌ・ポーリアック。そう言われてもピンとこないと思いますが、それも仕方ありません。というのも、彼女は第二次世界大戦時、フランス赤十字社に勤務したドクター。ひとりの医師に過ぎませんが、戦時下になかなかできない無償の愛とも言うべき人道支援を成し遂げています。

1945年4月、マドレーヌはソ連軍に侵攻されたポーランドのワルシャワにあるフランス病院のチーフドクターに任命され、負傷したフランス軍兵士の帰還任務に当たります。その際、彼女は女性として許しがたい衝撃の事実を知ることになります。それは、産科病棟でソ連軍兵士が分娩中のみならず、出産直後の女性にまで性的暴行をした恐るべき事実。さらに個別の事件は数え切れず、修道院では集団レイプも発生していたことも知ります。この現実に直面したとき、彼女は本来の負傷兵の治療と帰還の任務をこなす一方で、その合間を縫って被害に遭った女性たちや修道女に医療を施し、心までも癒す支援を行ったそうです。『夜明けの祈り』は、そんな名もなき女性医師にスポットを当てています。

ポーランドの修道女たちに起きた悲劇

作品は、マドレーヌをマチルドに置き換え、ある修道院に的を絞って物語が描かれます。時は1945年12月、ポーランドの赤十字社の医療施設で働くフランス人医師のマチルドのもとに、悲痛な表情をしたシスターが駆け込んできます。言葉も通じず、はじめは別の施設に行くよう促したマチルドですが、それでも雪の積もる屋外で祈りを捧げ待ち続けるシスターの姿に心を動かされ、あるカトリック系の修道院を訪れます。そこで彼女が目の当たりにしたのは、本来ならば信仰から妊娠するはずのない若い修道女が身ごもり、いまにも出産を迎えようとしている姿。修道院長にこのことを口外しないと約束し、マチルドはシスターから帝王切開で赤ん坊を取り上げます。

翌日、再び修道院を訪れたマチルドは別のシスターも妊娠していることに気づきます。訳を聞いたマチルドに、ようやく院長が重い口を開きます。それは悪夢のような事実。ドイツ軍と入れ替わるようにこの地に侵攻してきたソ連軍の兵士たちが修道院に押し入り、数日間にわたって修道女たちに蛮行を繰り返したのです。妊娠しているシスターは7人。マチルドは自分だけでなく助産婦や専門医を受け入れることを求めます。しかし、これを人に知られたら修道院は閉鎖され、恥を晒すことになると院長らは頑なに受け入れを拒否。最終的にマチルドは仕事の合間を縫い、ソ連軍の検問所などの危険をかいくぐりながら秘密裏に修道院を訪れ、シスターたちを助けます。

ただただ医師として、何も求めることなくシスターたちに寄り添い、彼女たちを守ろうとするマチルド。その無償の愛とも言うべきマチルドの誠意には心を打たれるに違いありません。

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最終更新:8/7(月) 18:00
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