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「北朝鮮の対外交易収入3分の1遮断」…制裁だけでは限界の指摘も

8/7(月) 16:33配信

ハンギョレ新聞

北朝鮮ドル資金源断つ強力な内容含む 韓米、年間北朝鮮輸出10億ドル減少と推算 「核・ミサイル高度化速度に間に合わない」分析も

 国連安全保障理事会(安保理)が5日(現地時間)、全会一致で採択した対北朝鮮制裁決議2371号は、北朝鮮の対外交易にともなう収入の相当部分を遮断できる強力な措置を含んでいる。だが、制裁だけでは短期的に北朝鮮の核・ミサイル能力高度化を阻むことは難しいと専門家たちは指摘する。

 今回の対北朝鮮制裁決議には、北朝鮮の石炭と鉄鉱石の輸出を全面禁止する内容が含まれている。KOTRA(大韓貿易投資振興公社)の資料によれば、昨年基準で北朝鮮の石炭・褐炭など鉱物性固形燃料輸出額は約11億9千万ドルで、輸出全体(28億2千万ドル)に占める比重が42%に達する。

 ただし、昨年11月の対北朝鮮制裁決議2321号で石炭輸出を2015年対比38%まで減らすことにしたので、今年に入ってからは比重が低くなったと予測される。また、第3国産の石炭を北朝鮮の羅津(ナジン)港を経て輸出する場合には制裁の適用から除外する既存の規定を今回の決議にも含ませた。羅津港を通したロシアの第3国としての石炭輸出を念頭に置いた措置と見ることができる。

 北朝鮮による昨年の鉄鉱石輸出は7400万ドル相当でさほど大きな比重を占めてはいない。貴金属類や銅、ニッケルなどの非鉄金属も輸出額は微小だ。石炭収入の遮断が今回の決議の核心であることがわかる。

 石炭、鉄鉱石、非鉄金属を除けば、今回の決議に初めて含まれた水産物輸出制裁の比重が大きいと見られる。北朝鮮は昨年1億9500万ドルの魚類・甲殻類を輸出し、前年対比75%の高い増加傾向を見せた。金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長も昨年末から今年初めまで、人民軍水産事業所を相次いで視察するなど水産業を強調する歩みを見せた。ただし今回の決議では、すでに契約された品目に対しては安保理決議採択時点から最長30日までは輸出を許容した。

 昨年の輸出額全体の25%(約7億2千万ドル)を占めた北朝鮮の2位輸出品目である衣類については触れられなかった。衣類輸出は中国の下請けを受けて北朝鮮で賃加工し輸出する構造だ。

 国連安保理側は、今回の輸出禁止措置で北朝鮮の年間輸出額の3分の1にあたる10億ドルの資金遮断効果があると見通した。ドナルド・トランプ米大統領も、対北朝鮮制裁決議採択直後にツイッターを通じて、北朝鮮に「非常に大きな財政的衝撃」を与えるだろうとし、「北朝鮮に10億ドルの損失を与えるだろう」と主張した。

 その他にも今回の決議は、国連加盟国が北朝鮮労働者の新規雇用を禁止することにした。既存決議2321号では、北朝鮮がこの部分に対して憂慮を表明する水準だった。北朝鮮は現在40カ国余りに5万人以上の労働者を派遣していると伝えられている。

 これと関連して外交部当局者は「今回の措置は安保理が決議を採択したまさにその時点で雇用されている労働者の総人数を維持させる一種の総量制限制」として「総人員に欠員が生ずれば追加で新規雇用することは可能だ」と明らかにした。

 今回の決議は、北朝鮮と新しい合作会社を作ったり、既存の合作会社に新規投資をすることも禁止した。国連対北朝鮮制裁委員会が指定した安保理決議違反船舶は、国連加盟国の港への入港を禁止することにした。

 今回の決議で北朝鮮による最近のICBM試験発射と関連して「北朝鮮が主張する大陸間弾道ミサイル」と規定した点も目につく。北朝鮮が試験発射したのは中距離ミサイルだと主張したロシア側の反発を反映したものと見られる。

 今回の決議が北朝鮮の未来収入の相当部分を遮断できるとしても、北朝鮮はすでに蓄積した資本が少なくないという分析がある。ケネディ行政大学院コリア実務グループのジョン・パク所長は、最近ハンギョレと会い「北朝鮮はすでに2009年から石炭輸出で数十億ドルの現金を備蓄したと分析される」として「数年ではなく、かなり持ちこたえることができるだろう」と話した。また、制裁を加えるほどに北朝鮮の制裁回避技術も発達しているとジョン・パク所長は付け加えた。

 こうした分析が正しいならば、北朝鮮体制の耐久性と現金備蓄量などを考慮する時、制裁効果の速度が核・ミサイル能力の高度化に間に合わない“速度の格差”が発生する。対北朝鮮交渉を通じて核およびミサイル試験の中断を引き出さなければならない理由だ。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8/7(月) 16:33
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