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円は来月にも対ドル100円へ、際立つ割安さと円売り投機-野村AM

8/7(月) 9:36配信

Bloomberg

円相場は対ドルで、早ければ来月にも100円程度へ急騰する可能性がある-。そのきっかけは、米国の政治的な混乱や金融政策見通しの揺らぎだが、底流にはドル相場が歴史的な規模の下落局面に入りつつある中で、円がまだ割安な水準に放置され投機的な売りも膨らんでいることがあると、運用資産が約44兆円に上る野村アセットマネジメントは指摘する。

野村AMの榊茂樹チーフストラテジストは2日のインタビューで、ドルの総合的な強さを内外の物価格差を考慮して算出した実質実効為替レートを例に挙げて、1985年と2002年に続き、今年初めから大きな波動の3度目の下落局面に入りつつあると説明した。過去の例では「いったんドル安局面に入ると相当の年数にわたって続く。最初は主要国、その後は新興国の通貨がドルに対して上昇することが多い」と話した。

ドル売りの受け皿になる可能性のある通貨については、「経常収支の黒字が大きい国・地域のうち、中国の人民元や韓国ウォンの実質実効為替レートは歴史的に高い水準にある一方、ユーロや円はかなり低い」と指摘。「ユーロの割安感は最近の上昇でやや薄れているが、円は主要通貨でいま最も割安感が強い」ため、内外金利差などの円安要因にもかかわらず、「どこかで円高になるリスク」が高まっていると読む。

ユーロは先週、1ユーロ=1.1910ドルと15年1月以来の高値を記録した。一方、円は対ドルで108円-114円程度の一進一退から抜け出せない状態が約5カ月間続いている。榊氏はドル・円の長期的な適正水準を測る購買力平価で見ると「100円前後、95円から100円程度だ」と指摘。過去にはこの水準を超えた円高が「しばしば」起きており、先行き米国で利上げ打ち止め観測が浮上すれば、90円程度も「あり得ない話ではない」とみる。

国際決済銀行(BIS)の統計によれば、ドルの実質実効為替レートは6月に113.81。トランプ米大統領が就任した1月に付けた約13年半ぶり高値118.93から下げたが、2000年以降の平均の109.01を上回ったままだ。ユーロは92.33と15年4月に付けた15年ぶり安値86.88から上昇基調をたどっている。平均は98.74だ。一方、円は76.76で、15年6月に付けた1972年以来の安値67.86から反発したが、なお平均の94.82には距離がある。

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最終更新:8/7(月) 9:36
Bloomberg