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東電とソニーのスマートホームは見守りから、IoTivityでオープンにつながるか

8/8(火) 8:10配信

MONOist

 東京電力エナジーパートナーズ(以下、東電EP)とソニーモバイルコミュニケーションズ(以下、ソニーモバイル)は2017年8月7日、東京都内で会見を開き、スマートホーム向けのIoT(モノのインターネット)活用サービス「おうちの安心プラン」を共同で開発し、同日から販売を始めたと発表した。

【「おうちの安心プラン」のサービスの仕組みなどその他の画像】

 「おうちの安心プラン」は、東電EPが同日から開始したサービス「TEPCOスマートホーム」のプランの1つ。スマートフォンのアプリと、ソニーモバイルが開発した「スマートホームハブ」やスマートタグ、マルチセンサーをつなげることで、家族の帰宅状況や留守中の自宅の状況を外出先からでも確認できるサービスになる。利用料金(いずれも税別)は、設置作業料が1万8000円(2年間の利用で無料になる)、契約事務手数料が3000円、スマートタグが1個当たり4320円、月額料金が3280円。2017年11月末まで、契約事務手数料とスマートタグ2個が割引きになるスタートキャンペーンを行う。

 両社は2016年8月に、スマートホーム分野におけるIoTを活用したサービスの開発と提供に向けた業務提携の検討を開始する基本合意書を締結。その後、同年12月から2度にわたって、一般ユーザーによるフィールドトライアルを実施しており、今回の「おうちの安心プラン」はその成果となる。

 東電EP社長の川崎敏寛氏は「電力の提供を主業としてきた当社にとって、機器を連動してより便利で快適な生活を提供するIoT活用サービスは、家庭へさらに浸透できるチャンスだ。ソニーモバイルとの連携は今後も深めていくが、IoTの活用を進める上ではオープンな姿勢を保ち続け、思いを同じくする企業と連携していきたい」と語る。ソニーモバイル社長兼CEOの十時裕樹氏は「ソニーの通信、センサーの技術をIoTとして活用できるスマートホームに、新たな可能性として注力してきた。ハードウェア提供企業から、顧客生活に密着した、求められるサービスの提供に注力する。日本ではスマートホームの浸透はこれからだが、東電EPとの協業によるその一助となりたい」と述べている。

●「スマートホームハブ」は「IoTivity」に準拠

 両社が共同開発した「おうちの安心プラン」の特徴は、従来とは一線を画する「親しみやすいユーザーインタフェース」、スマートホームハブやスマートタグ、マルチセンサーなどの設置や調整などは東京電力グループが行う「TEPCOにお任せ」のサポート体制、そして利用料金を変更せずに機能拡充を進める「進化するアプリ・機能」になる。

 「おうちの安心プラン」で重要な役割を果たすのがスマートホームハブだ。製品としては多機能無線LANルーターとなるが、住宅のどの場所に設置してもスマートフォンやIoTデバイスとつながるよう、スマートホームにおけるIoTの“ハブ”となるよう開発された。このスマートホームハブを各住宅でしっかりと機能させるべく、東京電力グループが設置や調整を行うサポート体制がプランに組み込まれている。

 スマートホームハブは、Wi-Fiの他にもBluetoothやZigBeeなどに用いるIEEE 802.15.4、赤外線(IR)といった通信接続機能を有している。「おうちの安心プラン」で提供するデバイスのうち、スマートタグの通信はBluetooth Low Energyを、マルチセンサーとブリッジ間の通信はIEEE 802.15.4を使用している。また、OCF(Open Connectivity Foundation)が推進するオープンソースのIoTプラットフォーム「IoTivity」に準拠しているので、他のIoTデバイスやサービスとの将来的な連携も可能になっている。

 IoTivityといえば、関西電力もインテルなどと協業してスマートホーム向けに推進する姿勢を見せている。今後、東京電力と関西電力のスマートホームでの取り組みが進めば、IoTivityが国内電力業界におけるスマートホームのプラットフォームになる可能性もありそうだ(関連記事:IoTivityはスマートホームのAndroidになれるか、インテルや関電などが実証実験)。

 なお、スマートホームの中核デバイスとして注目を集める音声認識スピーカーへの対応については「ソニーの音声認識機能付きイヤフォン『Xperia Ear』の技術などを含めて対応を検討していく」(ソニーモバイル)と説明するにとどめた。

●2018年には見守りにとどまらないスマートホームサービスへ進化

 「おうちの安心プラン」で、現時点で利用できるのは、家族の外出や帰宅を知らせる機能、留守中のドアの開閉を知らせる機能、子どもが親を呼び出す機能といった見守りサービスになる。両社は、連携するIoTデバイスを充実させていくことで、見守りにとどまらないスマートホームサービスに仕上げていきたい考えだ。

 会見では、2017~2018年に実現するスマートホームの形として、ソニー製のマルチファンクションライト、スマートロック「Qrio」、LED電球スピーカー、グラスサウンドスピーカー、壁やテーブルに投写したスクリーンに触れて操作できる「Xperia Touch」などとの連携の可能性を示唆する展示を行った。「IoT活用サービスの提供では、全てを自社で賄うことはできない。東京電力、ソニーにこだわらず、顧客の求めるものがあれば他社のサービスや商品をつなげてサービスとして提供できるようにしたい」(ソニーの説明員)という。

最終更新:8/8(火) 8:10
MONOist