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就任3年、さらに成長を…フェラーリジャパン&コリア代表【インタビュー】

8/8(火) 12:30配信

レスポンス

フェラーリは昨年日本に輸入が開始され50年が経過したこと祝し、特別モデルフェラーリ『J50』を発表するなど、古くから日本市場を重要視してきている。そこで、日本就任3年が経過したフェラーリ・ジャパン&コリア代表取締役社長のリノ・デパオリ氏に現在とこれからの日本での取り組みについて話を聞いた。

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◇就任3年、市場の伸びに驚き

---:リノさんが日本に就任してから丁度3年経ちました。就任当初にお話を伺った時、日本に来ることが出来てすごく嬉しいと、とても笑顔で語られていましたが、今もその印象は変わりませんか。

リノ氏(以下敬称略): 今でも笑顔で過ごしていますし、素晴らしくアメージングな国だという印象は変わっていません。子供達も成長して、週末や旅行など以前よりももっと一緒にこの美しい日本を楽しむことが出来るようになりました。本当に素晴らしい経験が続いています。

---:日本に就任する以前は中東や中国などのオフィスで働いておられましたが、そういった国々と比べてこの3年間の日本の伸びをどう評価しますか。

リノ:一番の驚きは、日本のマーケットは成熟しているにも関わらず、更に成長しているということです。特にこの3年はすごく成長している。その伸びしろがあったことに驚いています。

この成長は、マーケットのサイズや、新車販売という点だけではなく、ビジネスを通して様々な領域でも伸びています。例えばディーラーネットワークです。現在正規ディーラーが10カ所、サービスセンターは13カ所ありますし、中古車のプリオウンドというビジネス、 そして、フェラーリファイナンシャルサービスもあります。更に、テーラーメイドを含むパーソナライゼーションも同様です。これら新車販売以外のそれぞれのところで大きな伸びを示しており、また、そのひとつに特化するのではなく、それぞれが太い繋がりを持ちながら、ビジネス全体として大きく伸びる好機だったといえるでしょう。

◇ディーラーのレベルの高さはもともとの資質とフェラーリ独自のプログラム

---:私がこの伸びの中で感じるのは大きく2つあり、ひとつはディーラーのレベルの高さが挙げられます。各ディーラーともフェラーリに対してとても情熱を持って取り組んでいるという印象がありますがいかがでしょう。

リノ:ディーラーネットワークでは、彼らはお客様に対して最前線のところにいますので、非常に重要だと思っています。

フェラーリには彼らをトレーニングするツールやプログラムを備えていますし、CS(カスタマーサティスファクション)を測るツールもあります。これは、彼らの知識やパッション、サービスレベルなど色々な角度で測るものです。これらが良い効果をもたらしているのです。

もちろんいうまでもありませんが、もともと日本はサービスレベルが素晴らしい。つまり、スタンダードレベルが高いことに加え、我々のプログラムを駆使することによって、更に良いサービスを提供することが既存ユーザーや見込みのお客様に対して出来ているのです。

---:それでは、そのディーラーネットワークのレベルを中東や中国と比較をするとどうでしょう。

リノ:我々のベンチマークプログラムは全ての市場に共通をしているものですので、それぞれの比較が可能です。その中で日本は一貫性を持って高いレベルを保っています。しかし、この結果は今日現在、或いはこれまでのことです。我々は明日以降もより良いサービスを提供するために、レベルアップを図り、またプログラムも組んでいきますので、そういったことが今後もリーダーシップを保つことに繋がっていくでしょう。

私自身が感じているのは、日本はフェラーリの長い歴史があり、これは大きなアドバンテージです。成熟したお客様が多く、ディーラーネットワークのメンバーも非常に知識があります。こういたことは大きなアドバンテージになる一方、マーケットはどんどん変わり、同時に人々の気持ちも変わっていきます。こういったことを考えると、固定概念は良くないのです。長い歴史があるということは、良い面もある一方で気をつけなければいけない面もあるということです。つまり、歴史があるからといってそれで安泰だと思ってはいけません。常にダイナミックで、若い人たちを取り込むにはどうしたらいいかとか、その先を見ていかなければいけない。そういうことが我々には必要だと思っています。

◇テーラーメイドも台数に貢献

---:もうひとつ、市場、特に新車が伸びたことの要因に、テーラーメイドがあると思います。フェラーリは一時、日本において多くのテーラーメイドの発表会を開催し、積極的な訴求が行われました。その結果、このセグメントではテーラーメイドの先駆けともいえるぐらい認知が高まりました。リノさんご自身は、こういったテーラーメイドの訴求は台数増加に効果あったと感じていますか。

リノ:実際に年々パーソナライゼーションは伸びていますので、確実に販売に寄与しているといえるでしょう。

日本のお客様は非常に洗練されているという印象があります。テーラーメイドのオーダーにしても、非常に微妙なところや細かいところにまでこだわりを持ってオーダーしています。そして、フェラーリもそれに応えるだけの技術力を持っていますので、その結果、日本のカスタマーの性質と、フェラーリの技術力がマッチし、非常に高い伸びを示しているのです。

テーラーメイドでは今年、新たなモデルをお見せすることが出来るでしょう。2017年、フェラーリは設立70周年を迎えました。そこで、過去の70種類の素晴らしいデザインモチーフを5種類のモデルにあてはめてたモデルをお見せします。例えば『250GT』のデザインをベースに、『488GTB』、『488スパイダー』、『GTC 4ルッソ』、『カリフォルニアT』、『F12』にあてはめるといったように、合計350台のテーラーメイドのスペシャルカーを作っています。

この350台のうちの何台かは日本に来る予定ですので、日本のお客様にもこのテーラーメイドの素晴らしさを見せる良い年になるでしょう。

実は、フェラーリ70周年をお祝いするイベントを、60カ国くらいのそれぞれの市場で開催しており、日本は10月に予定しています。その時にこのテーラーメイドのクルマをお披露目出来たら素晴らしいと思っています。

◇これまでの成功に甘んじず、より高みを目指す

---:さて、この3年間の自分の業績を点数にすると何点になるでしょう。

リノ:この3年間、色々なことがありました。一番誇りに思うのは日本で『カリフォルニア』とカリフォルニアTの成功で、グローバルでも大成功したマーケットのひとつになりました。

また、昨年日本でのフェラーリ50周年を迎え、フォーリセリエのJ50をフェラーリ本社が特別に作り、50年間支えてくれたお客様に対してのお返しが出来たスペシャルな年でもありました。これも大きな誇りです。

このように本当にたくさんの機会がありましたが、嬉しいのはやはり成熟したマーケットにあぐらをかくことなく、そして、安定的なことをやるのではなく、様々な成長する分野を推し進めて来たことです。

現在競合環境も厳しくなって来ています。我々はそういったところに対してどうやって勝ち抜いていくかを考えていかなければなりませんが、これは楽しみでもあります。本当にこの3年間は楽しく誇りに思うことがいっぱいありました。

フェラーリの哲学として、「オールフォーエクセレンス」という言葉があります。常により良く、より先にということを考えていますので、点数はつけません。それよりも、これまでよりも、今よりも、次を更にどう良くしていくかを考えていますので、そういう答えにさせてください。これまでの成功に甘んじることなく次に進んでいく、それが今の気持ちです。

◇“経験”と“サービス”を更に充実

---:では、次に進むために今何か計画をしていることはありますか。

リノ:ひとつは、デジタルやSNSで、この領域は非常に重要だと考えています。成熟した市場ですから、新しいお客様や若い方を取り込む方策を進めています。

---:もう少し具体的に教えてください。

リノ:現在のデジタルコンテンツを充実させようとしています。これまで、ferrari . comに掲載しているものの中には、日本のマーケットにあまり関係のないコンテンツが多くあり、日本の人たちが見て、親和性が少なく、自分に関係のないものと思われていました。それを現在改善しようとしています。そのひとつは昨年、桜の時期にカリフォルニアTを走らせるビデオを撮影しました。日本のエモーショナルな部分や心をぎゅっと掴まれる部分がよく表現されていたビデオでしたので、こういったローカルで、かつ新しい人を取り込むためのコンテンツを作っていく予定です。

デジタル以外では、もちろん製品があります。グローバルのストラテジーはありますが、日本ではGTセグメントが伸びており、若い層はハイパフォーマンスよりも、経験や多様性、日々使えるクルマを求めています。GTカーのニーズや、若い人のニーズに応えられるよう、最近フェラーリはプロダクトレンジを拡大していますので、これからも新しい顧客を取り込むことが出来るでしょう。

若い層が求める経験という点では、フェラーリをいかに楽しんでもらえるプラットフォームを作るかが重要です。過去にはフェラーリレーシングデイズや、コルセクリエンティ 、XXプログラムといったプラットフォームはありましたが、例えば昨年、フェラーリ日本導入50周年を記念して北海道ラリーを開催しました。これは見込み客の方々とともに三泊四日で北海道をツアーしたものです。また、昨年10月はインターナショナルカヴァルケードを京都で行いました。こういったレースとは離れて、公道で楽しむことや、ライフスタイルを楽しむ観点からの経験を提供するということを行っています。こういったことはお客様に望まれていることだと思うので、この方向も充実させることで、更に伸びると思っています。

経験と同時にサービスの重要です。当然台数が増えていますのでサービスのキャパシティも増やしていかなければなりません。これはこれからも取り組んでいく課題です。新しいお客様も当然、最高のサービスを求めていますので、きちんと最高のものを提供出来るようにサービスの面も充実させていきます。

昨年、よりお客様の近くにということで、神戸と北海道の2拠点(それぞれ正規ディーラーとサービス工場)を増やしました。これはサービス面でも重要であると同時に、様々なイベントに参加しやすくなりますので、経験を提供するという意味でも非常に重要なのです。

《レスポンス 内田俊一》

最終更新:8/8(火) 12:30
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