ここから本文です

女優・のん、『ワーハピ』にて「タイムマシンにおねがい」を熱唱。「本来はロックの人なんだよね!」

8/8(火) 16:14配信

M-ON!Press(エムオンプレス)

今年で10年目を迎えた音楽イベント『WORLD HAPPINESS 2017』が、8月6日、東京・葛西臨海公演 汐風の広場で開催され、15組のアーティストが6時間以上にわたって競演した。

【詳細】他の写真はこちら

12時30分。オープニングコールもないところにい岡崎体育登場。かと思うと、爆音のリズムに乗せて大きな身体を揺らせながらの熱演に、会場は一気に岡崎ワールドに。関西弁混じりのMCで客席を笑いに誘いながら、シニカルで毒のある岡崎ワールドに、いつしか聴衆も引き込まれていく。青空の下、堂々のオープニングを飾った。

オープニング映像が流れると、ステージにはキュレーターの高橋幸宏といとうせいこうのふたりが登場して開会宣言。この日は広島原爆の日。9,000人の観客と共に1分間の黙祷。広い会場が静謐な空気に包まれる。

続いてコトリンゴのステージが静かに始まる。中盤、「この日は8月6日なので心を込めて歌いたいと思います」と言って始まったのは「悲しくてやりきれない」。ワンフレーズ歌ったところで「スペシャルゲスト、のんちゃんです」と紹介されたのんが、緊張した面持ちで登場。この曲はコトリンゴが音楽を担当し、のんが声優を務めた映画『この世界の片隅に』のオープニング曲。コトリンゴ、続いてのんが1コーラスずつを歌い、最後はふたりでデュエット。会場もふたりの共演に静かに聴き入る。

続く宮内優里は、過去に高橋幸宏と共演したこともある、エレクトロニカ界ではキャリアも実績も充分なアーティスト。この頃すでに会場の気温は上昇の一途であったが、海辺に響く電子的な音色が心地よい。

ここからは気鋭の若手アーティストが2組続く。Nulbarichは、ソウル、ファンクにアシッドジャズのテイストを随所に散りばめ、ブラック感溢れる心地よいグルーヴでグイグイと客席を惹きつけていく。

「ワーハピは日本一民度の高いフェスだと思います!」と語るのは、関取 花。「私の葬式」と「もしも僕に」の2曲を演奏。8月6日というこの日を踏まえた選曲で、暑い太陽が照り続ける中、清涼剤のような澄んだ声を響かせた。

DUBFORCEのメンバーとともに登場したのは、キュレーターのいとうせいこう。手練れのメンバーによる超絶プレイ、その音を瞬時にダブミックスするDub Master Xの手腕。そこにかぶるいとうのラップ。最高のステージ。中盤からはスチャダラパーと高木完が合流。「裏打ちリズムと一緒にやったことないんですけど」と始まったのはタイニー・パンクスの「MONEY」。ラストは「皆さんもよく知ってるこの曲で!」と「今夜はブギーバック」! 会場が揺れる!

クラフトワークをBGMに、大きなメキシカンハットを被ってレフト・ステージにに表れたZOMBIE-CHANG。ラップトップを操作しながら歌うその声は素っ気ないがどこか切ない。ローファイなサウンドに懐かしさを覚える人も多いだろう。

一方、GLIM SPANKYは60’s~70’sのロック黄金期を彷彿とさせる、目の覚めるような豪快なサウンドで客席を圧倒。昨年に続く出演だが、その成長ぶりには目を見張るばかり。数多くのイベントやライブで腕を磨いて来た成果によるものだろう。曲も昨年までと較べてよりポップな側面が感じられるようになった。

ギター1本を携えてレフトステージに登場したのは、みうらじゅん。ギターをかき鳴らしながら歌うその姿は、ディランであり、たくろうであり、みうらじゅんである。曲は大マジ。だが、最後は「暑いのでクリスマスの唄を歌います!」とクリスマス曲を歌うところが、みうらじゅんの面目躍如。

まだまだ陽の高い15時55分、くるりが登場。「ワールズ・エンド・スーパーノヴァ」のイントロが演奏されるや「オオーッ!』と場内から歓声が上がる。4ピースのシンプルな編成ながら、骨太のサウンドを響かせていく。ブラックテイスト溢れる「琥珀色の街、上海蟹の朝」ではラップも披露し「Liberty & Gravity」で30分のステージを終えた。

竹中直人は、自身のオリジナル(曲・玉置浩二)からスタート。その渋い低音の声で聴衆を痺れさせ、加えて中学生の頃から慕うという忌野清志郎のカバー「いい事ばかりはありゃしない」で会場を圧倒。同名映画のテーマ曲でもある「サヨナラCOLOR」(スーパーバタードッグ)でしめくくった。

太陽が少しずつ傾きを見せはじめても、汐風の広場はいっこうに気温が下がらない、どころか、電気グルーヴの登場によって、会場はますますヒートアップ! のっけから「こんにちは、イエローマジックオーケストラです」という石野マイクのご挨拶(笑)。さらには「そしてすべてのテクノの産みの親、電気グルーヴです」とサンシャイン池崎モードの自己紹介が。矢継ぎ早に送り出されるめくるめく音と映像の洪水に、半ば中毒めいた快感がかけめぐる。キュレーターの高橋幸宏をネタに使った映像演出も彼ららしいサービスか。そしてその音にもっとも素直な反応を示すのは幼い子供たち。リズムに合わせてうれしそうにピョンピョンはねまわる姿があちらこちらで見られた。

LEFT STAGEのラストはTOWA TEI。出演アーティストに絡んだ楽曲を盛り込んだプレイリスト。随所にニヤリとさせられるセンスの良さと遊び心。

『ワールドハピネス2017』の最後の出演アーティストは高橋幸宏。「今日は80年代の曲とかをグチャグチャにやりますよ!」という宣言どおり、「今日の空(1985)」「音楽殺人(1980)」「My Bright Tomorrow(1983)」といった80年代のナンバーが並び、オールド・ファンは大喜び。中盤には鈴木慶一が加わって、THE BEATNIKSコーナーに。デビューアルバム収録の「No Way Out(1981)」を聴かせて聴衆を盛り上げたあとは、新曲を2曲披露。その2曲目では鈴木が指揮を執って会場全体で「シェー、シェー、シェー」と歌い踊る、これまでのTHE BEATNIKSにはなかった楽しい風景が見られた。

そして、お待ちかね、のんが再びステージに。幸宏から「本来はロックの人なんだよね!」と紹介されたのんは、赤いテレキャスターを持って登場。見るからに緊張している彼女に「思いっきりいって!」と幸宏が優しく送り出せば、鈴木慶一は「冥土の土産だな、こりゃ」とこれから体験する“はじまりの瞬間”に目を細める。曲はサディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにおねがい」。歌詞にちなんでティラノザウルスの尻尾を付けたのんが、なんと、あの有名なイントロのギターリフを弾きはじめる。中学生の頃からバンドを組んでギターを担当していたそうで、これが中々の腕前。もちろんボーカルも披露し客席からは「カワイイ!」と声援が飛ぶ。たった1曲だけの参加だったが、強烈なインパクトを残し、この日いちばんのハイライトとなった。

そしてラストはキュレーターいとうせいこうが再び登場。サポートは、この1曲だけのために集まったMETAFIVEの面々。せいこうも「こんな豪華な方々をバックに僕がラップ演ります!」と感無量。日本語ラップのクラシック、タイニー・パンクスの「東京ブロンクス」がスタート。ようやく陽が欠け場内も最高潮の盛り上がりとなる。

曲が終わるとのんを始め幸宏バンドのメンバーもステージに集結。いとうせいこうが「また来年ね!」と呼びかけ、6時間15分に及んだワールドハピネス10周年記念の公演が終了した。

<セットリスト>
■岡崎体育
01.Open/02.Call On/03.Voice of Heart 2/04.okazaki child management
■コトリンゴ
01.ツバメが飛ぶうた/02.classroom/03.悲しくやりきれない with のん/04.漂う感情/05.たんぽぽ
■宮内優里※
01.neuha/02.即興演奏
■Nulbarich
01.TOYKO/02.Lipstick/03.NEW ERA/04.Follow Me
■関取花※
01.私の葬式/02.もしも僕に
■いとうせいこう with DUB FORCE guest スチャダラパー/高木完
01.ダブシチュー/02.Dub Fire/03.浜辺/04.MONEY/05.今夜はブギーバック
■ZOMBIE-CHANG ※
01.GOODBYE MY LOVE AND TURN AROUND/02.I CAN’T GET TO SLEEP
03.恋のバカンス/04.WE SHOULD KISS
■GLIM SPANKY
01.アイスタンドアローン/02.闇に目を凝らせば/03.いざメキシコへ/04.怒りをくれよ/05.美しい棘
■みうらじゅん ※
(セットリスト未公表)
■くるり
01.WORLD’S END SUPERNOVA/02.Morning Paper/03.everybody feels the same/04.琥珀色の街、上海蟹の朝/05.Liberty & Gravity
■竹中直人 ※
01.ママとカントリービール/02.白い砂のサボテン/03.いい事ばかりはありゃしない/04.サヨナラCOLOR
■電気グルーヴ
01.人間大統領/02.Fallin’ Down/03.プエルトリコのひとりっ子/04.いちご娘はひとりっ子/05.Missing Beatz/06.SHAMEFUL/07.CATV2017
■TOWA TEI ※
■高橋幸宏 with 沖山優司/白根賢一/鈴木慶一/高野寛/堀江博久/小山田圭吾☆/砂原良徳/TOWA TEI /ゴンドウトモヒコ/LEO今井
01.今日の空/02.音楽殺人/03.No Way Out/04.鼻持ちならないブルーのスカーフ、グレーの腕章/05.シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya/06.My Bright Tomorrow/07.タイムマシンにおねがい with のん/08.Something in The Air/09.東京ブロンクス with いとうせいこう

※=LEFT STAGE / 無印=CENTER STAGE

PHOTO BY TEAM LIGHTSOME

『WORLD HAPPINESS 2017』公式サイト
http://www.world-happiness.com/