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マタニティー制服、軽量警棒… 静岡県警、女性警官の装備改善

8/8(火) 11:00配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 静岡県警が女性警察官向けに装備品を相次ぎ改良している。妊娠中に着用するマタニティー制服を拡充したほか、警棒を軽量化して扱いやすくした。現場で活躍する女性警察官が増える中、働きやすい環境づくりを進めている。

 「おなか回りがゆったりしていて楽に動けます」。5月からマタニティー制服を着用する静岡中央署地域課の鳥居記代子さん(40)は満足げに話す。

 無線を使い県警本部や交番と事件などのやりとりをするのが主な仕事。立ったり座ったりすることが多いが、腹部を圧迫しないように腰回り部分の素材がゴムになっていて無理なく働けるという。すっきりしたデザインも好みだ。

 県警は1999年、ジャンパースカート型のマタニティー制服を全国の警察でいち早く導入。その後も女性警察官の拡大に伴い制服の数を増やしてきた。現場の女性警察官の要望を受けてズボン型を約40着用意し、昨年から貸し出しを始めた。県警警務課によると、育児休業取得者は毎年80人ほどで、着用する場面が増えそうだ。

 今年5月からは軽量化した警棒の貸与も始めた。通常の警棒(480グラム)より約100グラム軽い。男女の体力差を考慮し、強度を保ったまま女性警察官でも扱いやすくした。女性用の当直室を備えた交番を増やすなど警察施設の整備にも取り組む。

 県警で働く女性警察官は500人余りで、全体の1割近く。性犯罪やドメスティックバイオレンス(DV)の捜査、被害者支援など果たす役割は今後も大きくなるとみられる。県警警務課は「出産や子育ての経験は仕事をする上で強みになる。ハード、ソフト両面でやる気のある職員を後押ししていきたい」としている。

 ■捜査の第一線で活躍 機捜隊「桜」

 事件捜査の第一線でも女性警察官の活躍の場が広がる。県警機動捜査隊の女性特命捜査係は2016年4月の発足から1年間で54人を摘発した。

 係の通称は「桜」。20~40代の女性6人で編成し、主に女性が容疑者や被害者の事件で真っ先に現場に駆け付け初動捜査に当たる。2人がペアを組み3交代制で24時間勤務する。

 事件では被害者と信頼関係を築きながら、捜査に必要な情報を得ていくことが求められるという。班長の大川あす香警部補(44)は「男性警察官には言いづらくても、『女性なら』と協力してもらえることは多い。仲間と連携し事件を解決していきたい」と話す。

 実力も折り紙付きだ。16年11月には容疑者の顔や特徴を記憶して雑踏の中から捜し出す「見当たり捜査」と呼ばれる手法で、指名手配中の窃盗犯をJR静岡駅で発見、逮捕につなげた。

 松永敏秀機動捜査隊長は「今後も女性の視点を生かし、きめ細かな捜査活動を展開してほしい」と期待する。

静岡新聞社