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<台風5号>愛知・豊橋の突風「原因は竜巻」 名古屋気象台

8/8(火) 21:52配信

毎日新聞

 台風5号の接近に伴い、愛知県豊橋市前芝町などで突風の被害が起きたことを受けて、名古屋地方気象台は8日、現地調査を行い、突風の原因は竜巻とみられると発表した。レーダー観測や現地の目撃情報などから判断した。

 気象台によると、竜巻は7日午後4時半ごろに発生し、同市高洲町や前芝町などを北北西約3キロにわたって進んだとみられる。周辺では30棟を超える家屋の屋根瓦が飛ばされたり、トラックが横転するなどの被害があり、男児ら3人が軽傷を負った。

 気象台は8日午後、職員3人を現地に派遣し、被害の状況などを確認。住民からの聞き取り調査で「黒く灰色っぽい渦状の雲」の目撃情報があったほか、竜巻が近付いた際に発生したとみられる、ゴーという音を聞いた人も複数いた。また、レーダー観測で7日午後4時ごろから同40分ごろにかけて活発な積乱雲が付近を通過し、大気が不安定になっていたことも判明しており、気象台は「竜巻と推定した」と発表した。

 五十里(いかり)勇人・気象防災情報調整官は「台風5号周辺にある雨雲に、南から暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定になった」と説明。豊橋市では1999年にも竜巻が発生し、家屋などで被害が出た。ただ、五十里調整官は「(今回のような竜巻は)全国のどこで発生してもおかしくない」としている。

 台風5号の接近に伴い、三重県松阪市でも7日、住宅27棟の屋根瓦が突風で飛ばされる被害が出た。津地方気象台は8日、竜巻の可能性もあるとみて職員4人を現地に派遣。9日も松阪市で引き続き調査するほか、同県川越町で5棟の屋根瓦が飛んだ突風被害についても調べる。【石塚誠、田中功一】

 ◇竜巻は外側降雨帯で発生か

 竜巻のメカニズムに詳しい高知大の佐々浩司教授(気象学)は「今回の竜巻は台風の最も外側にある雲の列『外側降雨帯』で発生したと思われる。台風の目の周りが一番風雨が激しいが、外側降雨帯は強い積乱雲が発達しやすく、竜巻も発生しやすい。『台風がまだ遠いから』という油断は禁物」と指摘する。

 名古屋大の坪木和久教授(気象学)は、99年にも豊橋市で発生した竜巻との類似性を指摘し、「(竜巻の原因が)99年に観測されたのと同じ、スーパーセルと呼ばれる巨大積乱雲だった可能性もある」と分析。その上で「豊橋市は内陸部に比べて相対的に竜巻が多いが、特別ではない」と語り、他地域でも注意を呼び掛けている。

 両教授は竜巻対策として、気象庁の竜巻注意情報や気象レーダーをチェックし、事前に外出を控える▽外出時に黒い雨雲の接近や冷たい風などの前兆があれば、丈夫な建物に避難する--などをアドバイス。家屋の被害を防ぐには雨戸を閉めることが効果的で、屋外に突風で飛びやすい物を置かず、二次被害を防ぐことも重要としている。【太田敦子】

最終更新:8/8(火) 22:44
毎日新聞