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<世界陸上>薬物潔白「中立の選手」が銀 男子110障害

8/8(火) 21:54配信

毎日新聞

 【ロンドン小林悠太】国ぐるみのドーピング違反で資格停止中のロシア陸連所属で、潔白を証明して「中立の選手」として男子110メートル障害決勝に出場したセルゲイ・シュベンコフが13秒14で銀メダルを獲得した。「中立の選手」のメダルは今大会初めてとなった。

 前回大会王者のシュベンコフとリオデジャネイロ五輪金メダルのオマール・マクレオドによる真の世界一を決める一騎打ちとなった。シュベンコフは前半わずかにリードを奪うが最終10台目のハードル手前で逆転される。顔をしかめて天をあおいだ。

 マクレオドと3位のハンガリー選手が国旗をマントのように背負ってウイニングランを行う横で、シュベンコフはすぐにトラックを後にした。他の選手と異なりユニホームに国名や国旗も付いていない。「中立」の悲哀があふれ出ていた。

 ロシアがドーピング疑惑の選手を除外して編成した2015年世界選手権で優勝したシュベンコフだが、リオ五輪は国際陸上競技連盟から国ごと参加を禁じられた。練習拠点がロシア国内の時点で「中立の選手」と認められなかった。今年1月、国際陸連が新たな基準を示し、ロシア国内で活動しても潔白を証明できれば国際大会出場が可能になった。

 シュベンコフにとって、ようやく戻ってきた世界大会。レースから一息つくと笑顔で「ここにいることができてうれしい。またトップレベルで競技ができた」と滑らかに話した。しかし、リオ五輪については「そのことは忘れよう。あの時の感情を思い出したくない」と口が重くなる。国際陸連の処分にも「ドーピング問題はロシアだけでなく、世界中でまだある」と不満をのぞかせる。ドーピングの闇は、華やかな世界一決定戦の場にも深く及んでいた。

最終更新:8/8(火) 21:54
毎日新聞