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サロメ、見事な踊りの褒美に見える“倒錯した狂おしい恋情” 「怖い絵」を読む

8/8(火) 10:30配信

産経新聞

 「オーブリー・ビアズリーによる『サロメ』のための挿絵」のなかの一枚。英国の作家、ワイルド(1854~1900年)が書いた戯曲「サロメ」の退廃的な美学は、このビアズリー(1872~98年)の挿絵とセットで広められたといってもいい。

 サロメが持つのは自分が愛した男、ヨカナーン(ヨハネ)の首。義父、ヘロデ王の前で見事な舞いを踊った褒美に所望したのが、自分の愛を拒んだ男の命というのが、いかにも耽美(たんび)的なワイルドらしい発想だ。

 その唇に口づけをしたいからと手に入れた生首からしたたる血、前髪をつかむサロメの顔…。鬼才、ビアズリーは倒錯した狂おしい恋情を、シャープな線と黒インクで生々しく描いた。

 実は、そのビアズリーをシムズ(1873~1928年)が描いた絵も出展されている。人生の絶頂に酔うビアズリーが見る「死」の予兆も、美しく、怖い。「怖い絵」展は神戸市中央区の兵庫県立美術館で9月18日まで開催。

最終更新:8/8(火) 10:30
産経新聞