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【ライブレポート】アクセプト、<ヴァッケン>に打ち立てた鋼鉄の楔

8/8(火) 12:06配信

BARKS

世界最大のメタル・フェスティバルと呼ばれるドイツ<ヴァッケン・オープン・エアー2017>でアクセプトが“ナイト・トゥ・リメンバー”と題したスペシャル・ライブを行った。

◆アクセプト画像

毎年8万人ともいわれる観衆が集まり、多量のビールを消費するため全長7kmに及ぶパイプラインを引いたという空前のフェスには170バンドが出演したが、メタル大国ドイツの急先鋒として活躍してきた彼らのキャリアを総括するライブはこの年の<ヴァッケン>のハイライトのひとつだった。

フェス1日目となる8月3日(木)は昼間こそ雨に祟られたものの、アクセプトの出演タイムである午後8時にはおおよそ晴れて、2つ並ぶFASTERステージとHARDERステージというメイン・ステージは日の長いドイツの太陽に照らされている。そしてほぼ定刻、FASTERステージで彼らのショーがスタートした。

この日のライブは3部構成で、(1)新作アルバム『ザ・ライズ・オブ・ケイオス』からの曲を含むセット、(2)ギタリストのウルフ・ホフマンのソロ・アルバム『ヘッドバンガーズ・シンフォニー』からのクラシック曲とオーケストラの共演、(3)アクセプトの名曲の数々とオーケストラの共演というものだ。新作からの「ダイ・バイ・ザ・ソード」のイントロが流れ、ステージを隠していた幕が切って落とされる。まだ発売前のアルバムのオープニング・ナンバーではあるものの、世界中のファンが親しみ、愛してやまない純正アクセプト・スタイルのメタル・ナンバーに、早くもヘッドバンギングの嵐が巻き起こる。

ウルフは黒Tシャツにメタリック・ミラー仕様のフライングV、ボーカリストのマーク・トーニロは黒のキャップとベストという“正装”だ。続いて2曲目にいきなり1983年の名曲「レストレス・アンド・ワイルド」へと突入、大観衆は地鳴りに近いどよめきでそれを迎える。

「明日アルバムが発売になるんだ。会場で先行発売するぜ!サイン会もやるから来てくれよ!」とマークの営業トークを経て、新作からの「クールエイド」が披露される。王道アクセプト・サウンド、しかもメタル史上何度となく題材とされてきたガイアナ人民寺院の集団自殺についての歌詞ということで、初めて聴いた気がしないこの曲だが、その殺傷力に不満があろう筈がない。

マーク加入第1弾アルバム『ブラッド・オブ・ザ・ネイションズ』(2010)からの「パンデミック」は既にアクセプト・クラシックスのひとつとして認知されている。まるで場内にメタル病が大蔓延したように、観衆は拳を突き上げ、絶叫を続ける。鋭利に研ぎ澄まされたヘヴィ・メタルを常に提供してきたアクセプトだが、同時にクラシック音楽の要素も取り入れてきた。「ファイナル・ジャーニー」はその最新型であり、グリーグ『ペール・ギュント』のフレーズが飛び出すと大きな歓声が上がった。

この曲で約30分の第1部は終わるが、間を置くことなくウルフのソロ・バンドが登場。チェコ・ナショナル交響楽団のフル・オーケストラと共演する第2部『ヘッドバンガーズ・シンフォニー』ライブがスタートする。

ムソルグスキー「禿山の一夜」、ベートーヴェンの交響曲9番をモチーフとした「スケルツォ」などクラシックの名曲が続くが、ヘヴィ・メタルのダイナミズムを失うことがなく、それに加えて火と蒸気が交互に噴き出すスペクタクル。ウルフも赤いメタリック・フライングVに持ち替えて、野外フェスに相応しい壮大なスケールのステージが繰り広げられる。プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」、ベートーヴェン「悲愴」、ヴィヴァルディ「2つのチェロのための協奏曲」、モーツァルト「交響曲40番」はいずれもアルバム同様にメタルとクラシックがせめぎ合う、両音楽スタイルのバトルだった。

わずか30分の濃密なコラボレーションを経て、日が暮れた頃、ウルフは再びシルバーのフライングVを手にする。ライブのハイライトである第3部、アクセプトvsオーケストラの始まりだ。いきなり「プリンセス・オブ・ザ・ドーン」で観衆の度肝を抜いて、ショーの最終章は始まる。続く「スターリングラード」もオーケストラのサウンドを得て、すべてをなぎ倒していく。あちこちから火が噴き出し、あたかもステージは戦場と化したようだ。

「ダーク・サイド・オブ・マイ・ハート」と「ブレイカー」という新旧ナンバーがまったく同じテンションを維持していることは、驚嘆に値する。鋭角的なギター・リフ、ピーター・バルテスのベースとクリストファー・ウィリアムスのドラムスが生み出す鉄壁のリズム、そして歌わずにいられないフックあふれるコーラスは、30年以上のあいだアクセプトを特別なメタル・バンドたらしめてきた。この日の「ブレイカー」中盤のブレイクでフィーチュアされたホーンズはジャズっぽくもあり、彼らの初期の名曲に新たな色彩を加えていた。

「シャドウ・ソルジャーズ」「ダイイング・ブリード」はバンドが“いま”を生き続ける運動体であることを証明したが、それでもライブ終盤における名曲群の盛り上がりは異常なほどだ。バンドと観衆はもちろんのこと、オーケストラにとっても、アクセプトとの共演はスペシャルな経験だったに違いない。単にバンドの演奏にオーケストラで味付けをするのではなく、名曲の背骨へと食い込んでいく。「ファスト・アズ・ア・シャーク」のイントロはオーケストラをフィーチュアするパートを加えてさらにロング・ヴァージョンとなり、「メタル・ハート」でも中盤、ベートーヴェン「エリーゼのために」のパートでオーケストラが“主役”となるパートが挿入される。

マーク加入後のアクセプトの代表曲のひとつとなった「チュートニック・テラー」を挟んでのラスト・ナンバー「ボールズ・トゥ・ザ・ウォール」は約2時間のショーの大団円に相応しいカタルシスを伴うものだった。ショーは終わりフェスティバルは続く。だがこの日、アクセプトはヘヴィ・メタルの聖地<ヴァッケン>に揺らぐことのない鋼鉄の楔を打ち立てたのだった。そして真っ赤に熱された鋼鉄サウンドを引っ提げて2017年9月、アクセプトは日本公演を行う…。

文:山崎智之

<ヴァッケン・オープン・エアー2017>
Accept
1.Die by the Sword
2.Restless and Wild
3.Koolaid
4.Pandemic
5.Final Journey

Wolf Hoffmann solo with Czech National Symphony Orchestra
6.Night on Bald Mountain
7.Scherzo
8.Romeo and Juliet
9.Pathetique
10.Double Cello Concerto in G Minor
11.Symphony No.40 in G Minor - K.550

Accept with Czech National Symphony Orchestra
12.Princess of the Dawn
13.Stalingrad
14.Dark Side of My Heart
15.Breaker
16.Shadow Soldiers
17.Dying Breed
18.Fast as a Shark
19.Metal Heart
20.Teutonic Terror
21.Balls to the Wall

ACCEPT来日公演<THE RISE OF CHAOS JAPAN TOUR 2017>
9月10日(日)福岡:DRUM LOGOS
開場 17:00 開演 18:00
前売り¥8,500円(税込・スタンディング・ドリンク代別)
チケットぴあ:0570-02-9999(Pコード:333-634)
ローソンチケット:0570-084-008(Lコード:84134)
イープラス:http://eplus.jp/
[問]GreeN Music:092-714-0230

9月12日(火)大阪:梅田クラブクアトロ
開場 18:00 開演 19:00
前売り¥8,500円(税込・スタンディング・ドリンク代別)
チケットぴあ:0570-02-9999(Pコード:332-564)
ローソンチケット:0570-084-005(Lコード:52323)
イープラス:http://eplus.jp/
[問]梅田クラブクアトロ:06-6311-8111

9月13日(水)愛知:名古屋ボトムライン
開場 18:00 開演 19:00
前売り¥8,500円(税込・スタンディング・ドリンク代別)
チケットぴあ:0570-02-9999(Pコード:333-092)
ローソンチケット:0570-084-004(Lコード:45114)
イープラス:http://eplus.jp/
[問]ボトムライン:052-741-1620

9月14日(木)東京:中野サンプラザ
開場 18:30 開演 19:00
前売り¥8,500円(税込・全席指定)
チケットぴあ:0570-02-9999(Pコード:332-597)
ローソンチケット:0570-084-003(Lコード:71026)
イープラス:http://eplus.jp/
サンプラザチケットセンター:03-3388-7906
[問]東京音協:03-5774-3030(平日11:00~17:00)

最終更新:8/8(火) 12:06
BARKS

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