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“誤報”で選手が試合中に涙する場も MLB移籍市場で影響力大のツイッター

8/8(火) 7:20配信

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選手や関係者にとっても目が離せない情報源に

 ツイッターが存在していなかった時代、MLBのトレード期限日は一体どのようなものだったのだろうか。そう思わずにはいられないほど、この時期におけるツイッターは野球ファンだけでなく、選手や関係者にとっても目が離せない情報源となっている。

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 MLBを専門とする名のある記者やアナリストたちが自ら得た情報をもとに見解をツイートする。誰がトレード候補に挙げられているのか、どの球団が積極的に補強に向けて動いているのか。ツイッターを開けばそこが情報の宝庫となっているわけだ。

 このトレード期間にツイッター上で生まれた、#Hugwatch(ハグウォッチ)というハッシュタグも存在する。それまでにも使用する人はいたが、本格的に拡散されるようになったのは2014年のノンウェーバートレード期限日にオースティン・ジャクソンがデトロイト・タイガースからシアトル・マリナーズにトレードされることとなり、試合中にベンチへ下がったときだった。

 トレードを伝えられたジャクソンがチームメートとハグをして、仲間との別れを惜しんだ。この現象から、トレード期限日前に選手が途中交代をした場合に周囲が敏感に反応するようになり、その後はハグが行われるたびにメディアやファンが「#Hugwatch」とつぶやくようになった。

 メジャーリーグ、そして米国のスポーツ界でツイッターは情報源として多く活用されており、私がメジャーリーグの現場で働いていた頃も、地元記者や名の知れたMLBアナリストから情報を得ることがあった。また、選手たちもロッカーで休んでいる時間帯には携帯から目を離さず、速報に驚く様子を見せる場面も間近で見てきた。正直、どこから情報を得ているのかと疑問に思うほどのスピード感で情報を世の中に流している。

“誤報”で選手が試合中に涙する場面も

 トレードの時期以外にもメジャーリーグのシーズン中、選手の流れは活発に行われている。メジャーとマイナーの行き来、選手が故障者リスト入りした場合の選手異動などさまざまだ。そのたびに記者が公に発表されていない情報をスクープして、そのツイートで知るということもあった。

 MLBを長年追い続けている記者たちはツイッターというプラットフォームで、実名を使って戦っている。自身が長年の取材で培った人脈と信頼により、情報を流している。ツイッターで情報を流すメディアの人間たちにとっても、誤った情報を流せば自身の信用に大きな傷を付けかねない。一度発信してしまえば、すぐさま拡散されてしまうため、削除機能があるにしてもそれに頼ることはできないからだ。

 米国では記者のツイートを正当な情報源として扱い、スポーツニュース報道でもツイートを紹介する場面は度々みられる。ツイッターはどのメディアにも勝るスピード感がありつつも、思いつきで発信できてしまう危険性があるからこそ、それまでの準備や裏取りがなおさら求められる。一方で中には自分の名前を世に広めようと、あいまいな情報を流してしまう者もいるのでツイッターを情報源として活用する場合は、情報を得る側も意識を研ぎ澄ます必要があり、発信源を確認することも重要である。

 それを思い知らされる一件が起こったのは2015年7月29日だった。ツイッター上で、ニューヨーク・メッツのウィルマー・フローレスのトレードが成立したかのような情報が流れたが、実際、彼はまだメッツのユニホームを身にまといプレーをしていた。しかし、ツイッターの情報を見たファンたちはトレードが成立するものと信じこんでしまい、フローレスが打席に立った際に大歓声。それに勘付いたフローレスはグラウンド上で涙を流した。結局トレードは不成立に終わったものの、間違った情報がツイッターで拡散される危険性を誰もが感じる出来事となった。

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最終更新:8/8(火) 7:20
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