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カシオ、全工場をスマート化 山形のマザー拠点へ世界の情報集約

8/8(火) 15:34配信

日刊工業新聞電子版

■地道な改善に限界

 カシオ計算機は、国内外の全工場から製品の品質や生産情報をリアルタイムに収集する体制を整え、スマート工場化する。まず、2017年度中に山形カシオ(山形県東根市)とタイの拠点に情報収集の仕組みを導入し、早ければ18年度に中国拠点などにも展開する。

 カシオの生産は海外が85%以上を占め、国内は山形のみ。全拠点の情報を山形に集めて分析することで、マザー工場としての機能を強化し、工程や設備の改善を加速させる。

 この仕組みは、山形がマザー工場の役割を担うための基盤となる。同社の生産は労働集約型が中心だが、現場の地道な改善だけでは人件費高騰によるコスト増加の吸収が難しくなってきた。山形の生産技術センターに各工場のデータを集めることで、生産自動化をはじめ大規模な工程や設備設計の変更を検討できるようにする。

 また、自動生産の設備は、高度な保守技術が求められる。今後、集めたデータを使った予兆診断や品質異常予測の技術を開発、実用化することで、現地スタッフが簡単に保守できる体制をつくる。人工知能(AI)による画像診断で、外観検査を補助する技術も開発する。

 全拠点で、山形カシオと同等の品質管理基準で生産していく。同社は95年に、金型などの部品事業で生産のデジタルデータを使った生産管理を始めた。このノウハウと20年分の大量のデータを使い、早期に予兆診断などの技術を開発する。

 タイの関数電卓の自動生産ラインにいち早く情報収集の仕組みを導入した。現在、さまざまな種類の情報を管理できるプラットフォームを構築している。手作業の生産ラインからも、情報を集められるようにする。