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働き方改革で、給与体系はどう変わる?だらだら残業代がつかなくなる日

8/8(火) 11:30配信

ホウドウキョク

秋の国会の目玉となる「働き方改革」。

政府の「働き方改革実現会議」では、去年9月に発足以来、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現にむけて取り組んできました。

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今年3月に「実行計画」を成立させ、秋の国会でいよいよ法改正へ。

ホウドウキョクでは、少子化ジャーナリスト、相模女子大客員教授であり、働き方改革実現会議の有識者メンバーでもある白河桃子さんにお話を伺いました。

法改正目前の「同一労働同一賃金と時間外労働の上限規制」

ーーまず、働き方改革の実行計画のポイントを教えてもらえますか?

会議では9つの課題を話し合いましたが、法改正までいく大きなものとしては、同一労働同一賃金と時間外労働の上限規制でした。

実行計画では、日本で初めて働く時間の上限が決まり、どんなに忙しくても年間720時間が上限となりました。これは1人でも1時間でも超えたら、罰則があります。

繁忙期で単月100時間未満というのはありますけど、どんなに忙しくても月に70時間くらいに抑えておかないとクリアできないということですね。

ーーこれで長時間労働の是正につながるということですか?

これまでは、残業上限は、「大臣告示」という法的強制力のないものだったので、事実上の青天井、労働時間を守ろうという意識が薄かったのです。

今回「法的強制力のある罰則付きの上限」に格上げになったことで、70年の労働基準法の歴史上、1番のポイントになります。

ーーどういう罰則がありますか?

書類送検されて30万円の罰金などありますが、企業にとって1番困るのは、ここでブラック企業という風評が立ってしまうと、人が来ない、人手不足になることですね。

また、去年の電通の事件では経営者が辞任しました。あの事件が経済界に与えた影響は大きいです。

働き方改革が必要なのはメンタル疾患が多い職場

ーーどんな職場に働き方改革が必要だと思いますか?

働き方改革が必要な職場とは、まず、メンタル疾患が多い。あと、離職者が多い。それからこれは圧倒的に女性の活躍と関係があるのですが、家庭と仕事を両立しながら活躍できている女性がほとんどいない。

ーーそういう職場であったら働き方を改革しなければならないのは当たり前かと思うのですが、一方で改革を進めるにあたって、経営者の意識であったり、時間給制度など労働の制度だったり、様々な壁がありますね?

私が間違っていると思うのは、ただの時短とか、「早く帰れ」と言うだけとか、テレワークの制度をいれるだけとか、表面的な改革を人事に丸投げしている企業が多いことです。

昭和時代の人手が豊富にあって、いくらでも働かせて良かった頃のビジネスモデルを、経営課題として改める。 「昭和をアンインストール」していくことが、実は大きいのです。

働き方改革は、「量から質に」、「一律から多様に」、「他律から自律に」変わることです。

よく経営者は、「うちの社員は指示待ちなんだよね」と言いますが、そういった現場を作っているのは何なのか?考えないといけない。最終的には、「評価と報酬」が変わらないと、働き方改革は成功しないです。

ーーそれはなぜですか?

皆がいま「生産性向上!」と掛け声かけていますが、個人が生産性を上げて時間あたりで成果の高い仕事をすると、だらだら残業する人より給料が安くなってしまうのです。

やはり「評価と報酬」をしっかり改めていかないといけないのです。これは、「組織開発」といってもいいくらいの大事です。

ーー働き方改革に対して、経営側はどのように受け止めていますか?

ロイターの4月の調査によると、「年間720時間上限など働き方改革の労働コストへの影響をどうみているか」との質問に対して、4割の企業が「それじゃ困るよ」と言うわけです。つまりいまそれだけ従業員を働かせているわけですよね。一方、7割の企業が、生産性向上など、とにかく早急に何かに取り組むと宣言しています。

ーー働き方改革に意識が向かっていない企業が、まだ多く存在するということなのでしょうか?

この秋に法律が通ったとしても、施行は2年後です。それまでに今のいらない仕事の見直しや、業務の効率化など、とにかくやっていかなければいけない。

先日も過労死の問題がありました。サプライチェーンの問題は、下請などにしわ寄せがいかないように、全体で取り組んでいかないといけません。

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最終更新:8/8(火) 11:30
ホウドウキョク