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北海道とブルキナファソをつなぐ野球の縁、手作りアカデミーから始まる夢

8/8(火) 11:01配信

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日本ハムと球団選手会が活動に賛同、段ボール2箱分の野球用具を寄贈

 日本ハム選手会が5日、「ブルキナファソ野球を応援する会」の招へいで来日している4選手にウエアやバット、シューズなどダンボール2箱分の野球用具を寄贈した。

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 このニュースを見て「ブルキナファソって何?」「日本ハムとどんなつながりがあるの?」と思った人がいるかもしれない。調べてみると、北海道富良野市に住む一人の青年と野球後発国の選手たちとの心温まる物語があった。

 ブルキナファソは西アフリカに位置する人口1865万人の国。海外青年協力隊員として、この国で2年間野球を指導した出合祐太さん(34)が物語の主人公だ。

 満足に道具も揃わない環境にも関わらず、夢を抱いて練習に打ち込む選手たちに感銘を受けた出合さんは、帰国後、野球の普及活動に人生をかけることを決意した。「サラリーマンでは無理」と富良野市内でパン屋を営みながら、2013年に「ブルキナファソ野球を応援する会」を立ち上げた。

 渡航費を捻出してプロ野球選手を夢見るブルキナファソの選手を招き、野球を教えて国内外の独立リーグのトライアウト挑戦のサポートをしている。各国の支援団体にも協力を呼びかけ、これまでの4年間に招へいした野球後進国の選手は25人にものぼる。

 出合さんが昨秋富良野で立ち上げた「北海道ベースボールアカデミー」を拠点に、現在も4人の海外選手が10月下旬に予定される国内独立リーグのトライアウト受験に向けて練習している。カファンド・アミール内野手(19=ブルキナファソ)、リーランド・カンタロウ内野手(18=ベルギー)、ダニーロ・ツヴィヨヴィッチ捕手(20=セルビア)、二スカル・ケーシー投手(20=ネパール)。この4人が札幌ドームを訪れて日本ハム選手会から用具を受け取ったことが、冒頭で紹介したようなニュースになったというわけだ。

15年には四国IL高知にラシィナ内野手、16年にはBC新潟にジニオ外野手が合格

 球団と選手会がこの活動に賛同して始まった交流は、今回で5度目を迎える。直接用具を手渡した日本ハム選手会長の大野奨太捕手は「みんなで集めたので、大事に使ってください。野球を通じて交流したいと思いますし、他の国を知ることも勉強になります」と話した。一方、用具を受け取ったアミール内野手(19=ブルキナファソ)は「毎年たくさんの用具をありがとうございます。いつの日か自分たちがファイターズで一緒にプレーできるよう頑張ります」と感謝した。

 実際に“プロ選手”も誕生している。15年にはサンホ・ラシィナ内野手(19)が四国アイランドリーグplus高知ファイティングドッグスに、16年にはザブレ・ジニオ外野手(21)がルートインBCリーグアルビレックス新潟にそれぞれ合格した。

「アフリカの子たちは、ちょっとチャンスを与えただけで、自分で勝手にやっていくハングリーさを持っています。身体能力が高くて、120メートル以上打球を飛ばす子もいます。確率の方は勉強中ですけどね」

 そう語る出合さんは、手作りで環境整備を進めている。その過程は、まるで往年の人気ドラマ「北の国から」を地で行くようだ。

 現在の野球場は、長期間使われていなかったグラウンドを整備したもの。自分たちで土を掘り起こし、ふるいにかけて戻すことから始め、クラウドファンディングで集めた70万円を使ってネットを張った。それも古い木の柱をもらってきて、埋めてもらい、ワイヤーを張り、安く譲ってもらったネットをカーテン状に垂らした手製だ。

「お金をかけると、生徒から(お金を)もらわないといけないビジネスモデルになる。きっかけがアフリカの子たちにチャンスを与えたいということだったので、それは違うなと。お金はないですが、夢をもらっています。これからも継続していきたいです」と、出合さんは語る。

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最終更新:8/8(火) 11:01
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