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相次ぐ業務停止命令で揺れる(株)みんなのクレジット

8/8(火) 16:00配信

東京商工リサーチ

保全率はわずか15%

 東京商工リサーチ(TSR)は、みんクレに数十万円を投資している投資家に話を聞くことができた。投資状況などが表示されるマイページには、購入した「不動産ローンファンド」の保全率がわずか15%と表示されている。この投資家は「償還予定は4カ月後だが、この状況では全額償還は難しいだろう…」とあきらめ顔で語る。
 また、ネット上では、複数の投資家からみんクレの7月分の償還がストップしたとの声が駆け巡っている。みんクレはこれまで各月の償還日に所定の償還と配当が終了した旨をリリースしてきた。だが、7月分はまだリリースされていない。
 みんクレが7月28日から8月7日にかけ、投資家に送信した一通のメールを入手した。このメールには、「弊社融資先から『貴社の投資家による法的行動により不動産売買決済や融資が一時停止することになったため、弁済期日を7月28日とする貴社への借入金元本弁済を実施できなくなった』旨の連絡を受けた」とし、「融資先と交渉を進めている最中」と記載されている。
 肝心の投資家への償還の有無には触れていない。配当や償還が終了したリリースもしないまま、一連の先行きを示唆する動きとして注目を集めている。 
 その矢先の8月2日、東京都から貸金業法に基づく業務停止命令を受けた。事態は重大局面を迎えている。
 TSRはみんクレに対し、何度も取材を申し入れている。だが、8月4日に「担当者不在のため、こちらから連絡する」という回答を最後に、取材に応じていない。

今後の動向に注目集まる

 投資の世界でよく話題になる「ポンジ・スキーム」という手口がある。かつてアメリカで暗躍した伝説的な詐欺師、チャールズ・ポンジの名前に由来する。集めた資金を運用しているように装い、実際は獲得した資金を配当や償還に回すだけ。金を集めるだけ集めて配当と償還を続け、いずれは行き詰まる。
 最初は配当金などで資金の幾ばくかは戻ってきても、運用で利益を生む訳ではなく出資スキームは破綻。投資家の資金は戻ってこないケースが殆どだ。
 ソーシャルレンディングそのものは、企業にとって資金調達の手段として大きな魅力を秘めている。ただ、運用にはリスクがつきまとい、厳格な審査と規律が求められている。
 
 関東財務局の検査結果に照らし合わせれば、みんクレの運用実態はポンジ・スキームに極めて酷似している。自分たちのグループ会社に貸付金の名目で出資金を移動させ、創業者は辞任。出資金と責任が分散するこうしたやり方は“とかげのしっぽ切り”に見えなくもない。この手法がまかり通るのか、みんクレの動向に目が離せない。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年8月9日号に掲載予定「Weekly Topics」を転載)

東京商工リサーチ

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