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「漱石ロイド」に小学生感動 没後100年「ご無沙汰ですね」 二松学舎大柏キャンパス

8/8(火) 16:52配信

千葉日報オンライン

 小学生に文学の魅力を味わってもらう夏休み特別講座が、千葉県柏市の二松学舎大学柏キャンパスで開かれ、スペシャルゲストとして登場した明治の文豪・夏目漱石(1867~1916)のアンドロイドが子どもたちの前で講演した。漱石アンドロイドは“自身”の没後100年にちなみ「100年待っていていただいて、ありがとうございます」とあいさつし、作家としての生涯や、自らも学んだ同大前身の漢学塾「二松学舎」の思い出を語った。

 同大は昨年6月、創立140周年記念事業として漱石アンドロイドの製作着手を発表。アンドロイド研究の第一人者として知られる石黒浩教授(大阪大学大学院)らとともにプロジェクトチームを結成して研究を進め、昨年末に完成した。

 アンドロイドは、生前の漱石とほぼ同じ身長約159センチ。デスマスクを最新機器でスキャンし、千円札の絵柄でなじみ深い45歳ごろの漱石を忠実に再現した。毛髪や服装にもこだわり、履物は明治時代に販売されていた革靴をモデルに選定。声は現存する肉声の録音を参考に、孫の夏目房之介が吹き込んだ。

 講演は約6分間で、柏キャンパスへ初めて足を踏み入れた漱石アンドロイドは集まった小学生や保護者ら約80人を前に一礼。「ご無沙汰ですね。100年もたっているのだと、感慨にふけっているところです」としみじみ言葉をつなぎ、幼少期に患った病気や学生生活、作家活動について身ぶり手ぶりをまじえて振り返った。14歳で入学した二松学舎については「机もない古い畳の上で、カルタ取りのような姿勢で勉強した」と懐かしんだ。

 我孫子市立第四小学校5年の吉川実花さん(10)は「本物みたいで感動した。(漱石の本は)文章がすてき。知っている作品について話してくれてうれしかった」と瞳を輝かせた。母親の雅恵さんは「現代の45歳と比べて威厳や貫禄がある」と驚いていた。

 同大は今後、漱石アンドロイドを大学や付属中学、高校などでの教育現場で活用していく。