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特別支援学級設置進まず 茅ケ崎市、開設率は神奈川県内最低

8/8(火) 21:31配信

カナロコ by 神奈川新聞

 知的障害や自閉症などの児童生徒らが学ぶ特別支援学級の開設が、茅ケ崎市で遅れている。同学級がある市立小中学校は半数にとどまり、開設率は県平均の95・0%を大きく下回っている。6月の市議会では全校設置を目標として増設を求める陳情が全会一致で採択されたが、来年度以降の具体的な計画は今のところなく、全校設置への見通しは立っていない。

家族から切実な声 「排除され、見えない存在に」

 市教育委員会学校教育指導課によると、特別支援学級があるのは、中学校が13校中7校、小学校が19校中9校。市内には肢体不自由や知的障害などで小中高の児童生徒を受け入れている県立茅ケ崎養護学校があるものの、市立学校の開設率は50・0%で、神奈川県の本年度のまとめで見ると清川村と並んで最も低い。

 市は、2008年2月から学校長や教職員らでつくる「市立小・中学校特別支援学級増設検討委員会」で整備に向けた検討を開始。「半数程度の設置」を目標として、09年度から小学校5校、中学校5校で新設したが、小学校に関してはまだ半数に届いていないのが現状だ。

 15年度に同課が新設の予算要求をしたが先送りされるなど、現在具体的な計画はないという。16~18年度の市の第3次総合実施計画でも同学級について「小中学校の半数で設置」を目標に設定していたが、未達成となる可能性が高い。

 一方、なかなか設置が進まないことに、市民からは声が上がっている。

 ことし2月、障害児の保護者の一人が新校舎建設中の小学校に特別支援学級の設置を求める陳情を市教委に提出。これは不採択となったが、5月に別の保護者が出した市教委への請願、6月の市議会教育経済常任委員会への陳情はいずれも採択された。

 障害者基本法第16条は「地方公共団体は障害者の教育に関し、学校施設の整備その他の環境の整備を促進しなければならない」としている。市内外のダウン症児と家族の121家族が集まる家族会「Tomboy」は「法令にのっとり、市立小中学校全校への特別学級設置を目標に増設してほしい」と切望する。

 服部信明市長は神奈川新聞社の取材に「課題は予算確保ではなく、支援学級に必要な教室や環境の整備」として、財政難が要因になっていることを否定。「議会陳情が採択されたことを受け止め、いつまでに、支援学級を何割設置するという目標を設定していく」と話した。