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22羽ふ化 成育は12羽 ライチョウ人工繁殖 

8/8(火) 18:32配信

北日本新聞

 国の特別天然記念物で絶滅危惧種「ニホンライチョウ」の人工繁殖を今春スタートさせた環境省は8日、成育状況をまとめた。富山市ファミリーパークなど3施設で飼育された3組のペアが計60個を産卵し、22羽がふ化。うち10羽が死に、現在は雄4羽、雌8羽のひなが育っている。ふ化後1週間以内に死ぬケースが相次いだことや発育中止卵の多さが課題となっており、原因を調べて来年の繁殖につなげる。

 産卵地別で見ると、富山市ファミリーパークの産卵数は20個(有精卵16個、無精卵2個、軟卵・破卵2個)、東京の上野動物園は22個(有精卵16個、無精卵6個)、長野の大町山岳博物館は18個(有精卵16個、無精卵2個)。各園とも野生下の産卵数6~7個を大きく上回ったが、産卵後期は無精卵だったり、有精卵でも途中で発育が止まったりするケースが目立った。

 有精卵は来年以降の繁殖で近親交配を避けるため、石川のいしかわ動物園、栃木の那須どうぶつ王国を含めた5施設に分散してふ化を試み、22羽がふ化した。現在は富山で雄2羽と雌1羽、上野で雄1羽と雌3羽、大町で雄1羽と雌3羽、那須で雌1羽が育っている。

 野生の卵をふ化させて飼育した昨年は、卵12個全てが順調に成長したが、今回は22羽中10羽が死に、特にふ化から2~6日間の突然死が相次いだ。日本動物園水族館協会でライチョウ飼育事業のチームリーダーを務める石原祐司ファミリーパーク園長は「生後2週間以内に死ぬケースが多いことはスバールバルライチョウで分かっていた。慎重に対応していたが予想以上の多さだった」とする。

 母体が1歳という若い雌だったことや、餌の内容、卵の移動などさまざまな要因を検討する必要があるとし、「これから各園が事例を持ち寄り、研究機関とも連携して検証し、安定した繁殖技術を構築したい」と話した。

 ファミリーパークはこの日、ひな3羽の最新状況を発表した。同パークのペアから産まれ6月17日にふ化したひなは雄で体重が370グラム。大町のペアから産まれ7月13日にふ化した雌は133グラム、雄は148グラム。3羽とも順調に体重が増えており元気だという。

北日本新聞社

最終更新:8/23(水) 16:11
北日本新聞

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