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ソニー入社4年目で学生時代の「夢」を実現-次のウォークマン模索へ

8/8(火) 6:03配信

Bloomberg

「理想の腕時計を作りたかった」-。新規事業創出部wena事業室の對馬哲平統括課長(27)は、学生時代の夢を入社4年目のソニーでかなえた。お気に入りのアナログ腕時計の美しさとスマートウォッチの便利さを融合したかった對馬氏。電子決済機能を組み込んだレザーバンドの商品化に成功した。

ソニーが2014年4月に平井一夫社長直轄の「シード・アクセラレーション・プログラム(SAP)」と呼ばれる新規事業創出プログラム導入から3年。社員による世界初のアイデアの「種(たね)」をスピード感を持って事業化する同プロジェクトで、少しずつだが着実に新たなイノベーションの「芽」が育っている。

ソニーは7月上旬、フェリカ内臓のレザーバンド「ウェナリスト・レザー」を発表した。腕に着ければ電子決済で身軽に買い物ができる。對馬氏は14年4月のソニー入社後、社員研修で早速、ウェナリストの原型を試作した。周囲の反響が良かったためSAPに応募。昼休みや終業後に先輩社員に声を掛けてはアドバイスをもらい、自力では10枚程度しか用意できなかった事業提案書を200枚まで膨らませた。

對馬氏は「専門性の高い人たちが社内にいて、すぐに適切な助言をもらえるのは大企業ならではだと思う」と話す。同年12月、オーディションに無事合格し、3人の同期チームでウェナリストの実用化の一歩を踏み出した。時計と一体化した金属製ベルトの開発には昨年こぎつけたが、今回はまさに對馬氏が念願としていたアナログ腕時計に似合うレザーベルトを完成させた。

SAPへの挑戦は若手に限らない。16年10月、マイクロ流路という技術を活用した携帯型アロマ拡散器「アロマスティック」の商品化を手掛けたのはOE事業室の藤田修二統括課長(37)だ。視覚や聴覚に訴える商品が多いソニーで、「嗅覚で新たな商品を生み出したい」という一心でSAPに応募、チャンスをものにした。それまでは研究畑一筋で商品開発とは無縁だった。

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最終更新:8/8(火) 6:03
Bloomberg