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森の動物にエサを与えないで 1本のソーセージが招いたヒグマの最期 「あっ」スコープの中で見せた表情

8/10(木) 7:00配信

withnews

「森の動物に餌を与えないで」――北海道津別町の自然ガイドが願いとともにTwitterに載せたクマの物語に反響が集まっています。野生動物にどうしてエサを与えてはいけないのか、考えてみませんか。

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「ソーセージの悲しい最後」

 北海道津別町で自然ガイドを務める上野真司さんがTwitterに載せたのは、「ソーセージの悲しい最後」と題されたポストカードの画像でした。

 「コードネーム97B-5、またの名はソーセージ。初めて出会ったのは、1997年秋、彼女が母親からはなれ独立したばかりだった。」

 と書き出された文章。北海道の知床の森で暮らしていた、ある雌のクマは、観光客からソーセージを与えられたことによって、悲しい末路をたどります。

 人間の食べ物を知ってしまったことにより、彼女にとって人や車は警戒する対象から、食べ物を連想させる対象に変わってしまいました。しつこく道路沿いに姿を見せると、この見物のために人が集まる…彼女はどんどん人に慣れていきました。

 人に近づけまいとした対策も空しく、小学校そばに現れた彼女は駆除の対象になってしまいました。

 「スコープの中の彼女は、一瞬、あっ、というような表情を見せた。そして、叩きつける激しい発射音。ライフル弾の恐ろしい力。彼女はもうほとんど動くことができなかった。瞳の輝きはみるみるうちに失われていった。」

 「彼女は知床の森に生まれ、またその土に戻って行くはずだった。それは、たった1本のソーセージで狂いはじめた。」

 「何気ない気持ちの餌やりだったかもしれない。けれどもそれが多くの人を危険に陥れ、失われなくてもよかった命を奪うことになることを、よく考えてほしい。」としめくくられた文章。この画像を載せたツイートは8月8日時点で、3万回以上リツイートされています。

エサを与えたとされる形跡、月に2~3回ほど

 この画像を投稿した上野さんは普段、NPO法人森のこだまの代表を務めています。北海道津別町「ノンノの森ネイチャーセンター」で自然ガイドをするほか、施設の掃除やゴミの撤去など、森の保全のための活動を行っています。

 上野さんがその中で残念だと感じていることは、エサを与えたと思われる残骸が散見されることと言います。

 「お弁当やクラッカーなど、明らかにエサを与えた形跡を、月に2~3回見かけます」

 8月は観光客や地元の住民など、森に人が集まりやすい時期だといいます。

 エサやりの形跡を見つけ、注意喚起のために画像を投稿しようとした際に、以前配布されていたクマのポストカードの存在を思い出し、合わせて投稿しました。

 すると、ポストカードの画像が大きく見えるようにしてほしいという返信があり、再度投稿したところ、3万リツイートを超える大反響となったそうです。

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最終更新:8/10(木) 10:50
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