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東芝 次の焦点は半導体子会社売却 「これ以上沈まない」期待は現実に

8/10(木) 7:15配信

SankeiBiz

 東芝の2017年3月期決算の有価証券報告書(有報)の監査は、PwCあらた監査法人と東芝の意見の隔たりで暗礁に乗り上げていたが、「限定付き適正意見」という落としどころに着地する見通しとなった。ただ、これで上場廃止リスクを払拭できたわけではない。東芝メモリの売却を完了し、来年3月までに債務超過を解消できるかが次の焦点になる。

 「今までは、どこまでも沈む不信感があったが、そろそろこれ以上沈まないことを示したい」

 東芝関係者が語った期待は現実になりそうだ。決算を部分的ながら承認する限定付き適正意見が出る見通しとなり、懸案だった決算をめぐる問題には一定のめどがつく。

 東芝の原発事業の巨額損失について、PwCあらたは過去の会計処理に「誤り」があるとの見解を示し、17年3月期決算の有報に「不適正意見」を出す可能性もあった。不適正意見が付けば、東京証券取引所による上場維持可否の審査に悪影響が出るほか、資金繰りを支える銀行団も融資継続の妥当性を問われかねず、東芝は一段の厳しい立場に立たされかねなかった。

 米原発大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の巨額損失の認識時期をめぐる東芝とPwCの隔たりは、新旧監査法人の対立に発展した。PwCあらたは15年末にWHが米原発建設会社を買収した直後に損失を認識した可能性を指摘し、16年3月期に損失を計上すべきだと主張した。

 一方、当時決算を監査した新日本監査法人は東芝がその時は損失を認識しておらず、決算や監査は正しかったと反発。見解の相違は埋まらなかったようだ。

 ただ、PwCあらたが不適正と結論付けるにも、損失の修正額を具体的に示す必要があり、ハードルは高い。このため、不適切な事項が一部にはあるものの、決算全体に対してそれほど重要性がなく、会計上の誤りとまではいえないと判断して、限定付き適正に落ち着いたとみられる。

 東芝の上場維持はなお予断を許さない状況が続く。不正会計で東証から内部管理体制の審査を受けており、改善されたと判断されなければ上場廃止だ。2年連続の債務超過の解消もめどが立っていない。売却に反対する米ウエスタン・デジタル(WD)との係争に解決の糸口がみえず、産業革新機構を中心とする「日米韓連合」との売却契約は宙に浮いたままだ。売却に伴う各国の独占禁止法の審査期間が半年以上かかるだけにWDとの係争解決を含め手続きを急ぐ必要がある。

最終更新:8/10(木) 7:15
SankeiBiz