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彦根東、逆転サヨナラで甲子園初勝利!難病乗り越えた4番・岩本が決めた

8/9(水) 7:00配信

サンケイスポーツ

 第99回全国高校野球選手権大会第1日(8日、甲子園)49代表校が参加して開幕し、開幕戦で彦根東(滋賀)が波佐見(長崎)に6-5で逆転サヨナラ勝ちした。4番・岩本道徳内野手(3年)が右前に殊勲打。難病を克服した主砲が、チームに春夏通じて甲子園初勝利をもたらした。済美(愛媛)は、橋本圭介捕手(3年)が甲子園球場での大会通算1500号となる逆転3ランを放ち、東筑(福岡)に10-4で勝利。津田学園(三重)は藤枝明誠(静岡)に延長十一回、7-6でサヨナラ勝ち。藤枝明誠は初陣対決に敗れた。

 99回目の夏の始まりを告げる試合を、4番・岩本が“歴史的一打”で締めくくった。開幕戦での逆転サヨナラ勝ちは、甲子園で59年ぶりの快挙。123年の歴史を持つ彦根東野球部が、過去4度はね返されてきた重い扉をこじ開け、初勝利を飾った。

 「決めるべき時に打席が回ってきた。最後は負けても、自分のスイングを甲子園に残していこうと思っていた」

 岩本が振り返ったのは同点とした九回二死一、二塁の場面だ。前を打つ高村真湖人外野手(3年)が四球で歩き「初球は甘い球が来る」と直球に狙いを定めた。鋭い打球が右前に抜けると、二走・原晟が一気に生還。ヒーローはベンチから飛び出したナインにもみくちゃにされた。

 難病を乗り越え、聖地にたどり着いた。昨年3月に手足のまひを伴う「ギラン・バレー症候群」と診断された。幸い「軽症だった」が約1カ月半の間、自宅で寝て過ごす日々を経験した。「野球ができなくなるんじゃないか」と不安が募り、マネジャーになることも考えたという。

 練習に完全復帰したのは6月。昨秋の県大会では控え選手だったが、冬場に下半身を鍛え、4番として集大成の夏へ。「あんなプレーをしたことがない」という自らの好捕で始まった試合を最高の形で終えた。

 「歴史が動いた」と村中隆之監督も興奮を隠せなかった。それでも劇勝に浸るのは一瞬だけ。「次は安心できる試合をしたい」と、頼もしい4番は新たな歴史を見据えていた。