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河野外相、不慣れな点も 反射神経及第点

8/9(水) 7:55配信

産経新聞

 河野太郎外相は8日夜、ASEAN関連外相会合など一連の日程を終え、チャーター機で長崎空港に到着した。3日に就任したばかりなのにもかかわらず、主要国外相との2国間会談もこなした外交デビュー。「河野太郎カラー」を出さずに臨むと宣言して臨んだが、随所に「らしさ」をうかがわせていた。

 「外相に就任してからまだ5日目なので、ちょっと緊張していることをお許しください」

 河野氏は7日夜、マニラ市内のホテルで開いた海外メディア向けの記者会見でこう語った。世界に発信することを狙った記者会見は、河野氏自身の発案だ。「発信力、発言力を生かしてほしい」と起用した安倍晋三首相の期待にさっそく応えてみせた。

 外交に必要な反射神経、当意即妙な反応ぶりは及第点といえる。7日の日中外相会談で中国の王毅外相が南シナ海をめぐる河野氏の中国批判に反発すると、河野氏は即座に「中国には大国としての振る舞い方を身につけていただく必要がある」と切り返した。

 こうした発言は事務方が用意する応答要領にはなく、外務省幹部は「就任したばかりの外相では、なかなかとっさに出てこない」と評価する。6日夜には各国外相を集めたイベント会場で北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相を見つけ出し、拉致問題や核・ミサイル問題の解決を求める日本の立場を伝えた。

 しかし、不慣れな点があるのも否めない。日中外相会談で王氏に対し、深々と頭を下げて握手する姿が中国側の宣伝材料となり、人民日報系の環球時報でも写真が掲載された。旧知の間柄とはいえ、王氏を「先輩」と呼ぶのも主権国家の外相同士としては異例だ。

 ティラーソン米国務長官との初会談では通訳を介さずにやりとりするなど、得意の英語力は充実した議論にも役立った。ただ、政府要人が公式会談で日本語を使わないことには疑問の声もある。機微に触れる外交案件では正確さが求められるためで、政府高官は「核心部分は日本語でやってほしい。ネーティブじゃないんだから」と顔をしかめた。

 17日には日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が控えるなど、今後も息つく暇もなく外交案件が押し寄せる。「ま、頑張っているなという感じですね」と自己評価する河野氏だが、真価が問われるのはこれからだ。(マニラ 杉本康士)

最終更新:8/9(水) 7:55
産経新聞