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米、比南部IS勢力空爆へ 対テロ戦、東南アジアに拡大

8/9(水) 7:55配信

産経新聞

 【ワシントン=黒瀬悦成】米NBCテレビは7日、国防総省がフィリピン南部ミンダナオ島を拠点とするイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)系武装勢力に対する空爆を検討していると報じた。実現すれば、トランプ政権は、ISを相手とする「テロとの戦い」で、東南アジアでも関与を拡大させることになる。

 複数の米国防当局者がNBCに語ったところでは、空爆は無人武装偵察機によって行われる可能性が高い。国防総省が8日にも正式名称を付与するフィリピンでの米軍の作戦行動の一環として実施されるとしている。

 米比の対テロ協力をめぐっては、ドゥテルテ比大統領が2016年に就任後、ミンダナオ島で比軍の支援任務に従事する米特殊部隊の全面撤収を要求。しかし、今年5月にIS系武装勢力が同島中部のマラウイ市を占拠するなどテロの脅威が深刻化してからは、米軍の支援を受け入れる姿勢に転じている。

 比政権が米軍と対テロ協調姿勢に前向きに転じたのは、装備や能力の充実した米軍の支援なしにはミンダナオ島の武装勢力を掃討できないことが明白になってきたためだ。

 加えて、トランプ政権がオバマ前政権と違い、比治安当局による麻薬取り締まりをめぐる「人権侵害」をことさらに批判しなくなったことも、オバマ政権下で険悪化していた両国の「和解」を促進させた。

 ドゥテルテ大統領は7日、マニラでのティラーソン国務長官との会談の冒頭、「私は東南アジアにおける米国のささやかな友人だ」と述べ、トランプ政権に対する友好姿勢を強く打ち出した。

 トランプ政権としても、フィリピンを含む東南アジアでテロ組織が勢力を伸張させる事態となれば、「太平洋国家」を自任する米国に対するテロの脅威も深刻化するとみて、比政権の人権侵害に関しては、事実上の棚上げ姿勢をとる構えだ。

最終更新:8/9(水) 8:45
産経新聞