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関根貴大、欧州へ 主軸を失う浦和レッズのジレンマと自信

8/9(水) 6:00配信

VICTORY

浦和レッズは8月6日、関根貴大がドイツ・ブンデスリーガ2部のFCインゴルシュタット04へ完全移籍することが決まったことを発表した。10日にドイツへ旅立ち、現地でメディカルチェックを受けた後、正式契約を結ぶ予定になっている。22歳で欧州移籍の決断を下した浦和アカデミー出身者の思いと手塩にかけて育ててきたクラブの本音とは--。

文=杉園昌之

9年半を過ごした浦和から世界へ羽ばたく関根貴大

関根貴大は目標の一つだった欧州移籍が決まっても、報道陣の前で笑顔を見せることはほとんどなかった。口元を引き締めながら、苦渋の決断だったことを明かしている。

「チームの現状を考えると、このタイミングで本当に移籍していいのかどうか悩んだ」

J1で8位(8月8日時点)と低迷し、7月30日にはミハイロ・ペトロヴィッチ監督が成績不振で解任されたばかり。リーグ戦21試合に出場する右アウトサイドの主力は、責任を感じていた。

クラブ愛は人一倍強い。プロキャリアは4年目ながら、浦和一筋で約9年半。12歳からアカデミー組織でプレーしてきた。ジュニアユース時代に池田伸康コーチ(現トップチームコーチ)から「レッズ魂」を叩き込まれ、身も心も赤色に染まっている。

「浦和レッズのエムブレムを胸に付けているかぎり、誇りを持って最後まで戦えと教えられてきた」

ドリブラーとしての個性を伸ばしてくれたことにも感謝しており、「伸康さんがいなければ今の僕はいない」としみじみ振り返る。原口元気(現ヘルタ・ベルリン=ドイツ)も育てた池田氏の指導法は一貫していた。

「原口、関根にドリブルをするなと言ったことは一度もない。『やるなら徹底してドリブルで勝負しろ』と言ってきた」

クラブに育ててもらった恩義を感じているからこそ、逡巡した。

ドルトムントとの親善試合で受けた衝撃

7月下旬にインゴルシュタットから正式なオファーが浦和に届き、関根が直接耳にしたのは29日の札幌戦後だった。3年前、浦和から同じようにドイツへ移籍した原口にもすぐに相談した。昨冬、原口を訪ねて、ブンデスリーガを数試合、生で観戦。「実際にスタジアムで見ると、やっぱり違う」と大きな刺激を受けた。ドイツで大きく成長する先輩の姿も間近で見て、感じ取るものもあったという。現チームメートからは「頑張ってこい」と背中を押してもらった。そして、最後は自分の心の声に素直に従った。

「挑戦したい。やれるのか、試してみたい」

プロフットボーラーとして、機が熟したという判断なのだろう。「海外移籍の時期は早くもないし、遅くもないと思う」。プロ1年目から出場機会をつかみ、J1では通算106試合に出場し、13得点(8月8日時点)。昨年のリオデジャネイロ五輪代表メンバーからは漏れたが、J1での実績は積んできた。本人も浦和の主力としてプレーしてきた自負を持っており、「意味のある3年半だった」と言葉に力を込めていた。

今年7月15日、ドイツのドルトムントとの親善試合(●2-3)では世界のレベルを肌で感じ、手応えも得た。相手がプレシーズンの序盤だったことを前置きした上で、「通用するところもあった」と胸を張る。一方で2ゴールを決めた20歳のトルコ代表エムレ・モルを見て、衝撃も受けた。試合後、「同じドリブラーとして、純粋にすごいなと思いました」とあっけに取られ、レベルの差も痛感していた。

Jリーグで自信は深めても、地に足はついている。移籍するインゴルシュタットは2部リーグに所属。それでも、昨季までは1部リーグに所属していた実力あるチームで、すでにリーグ戦は開幕している。「ここからが新しいスタートになる。自分を主張して、持ち味を出していきたい」と意気込んでいた。新天地での戦いに向け、静かに闘志を燃やしている。

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最終更新:8/9(水) 6:00
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