ここから本文です

「アート」で企業価値を高めるには--猪子寿之× 小橋賢児ライブエンタメ対談

8/9(水) 15:00配信

SENSORS

「ライブエンターテインメント」をテーマに行われたSENSORSサロン。ゲストにチームラボ代表の猪子寿之氏とULTRA JAPANやSTAR ISLANDのプロデューサーを務める小橋賢児氏を迎え、MCの落合陽一×齋藤精一がライブエンターテインメントの現在と展望をディスカッションした。

【元記事】「アート」で企業価値を高めるには--猪子寿之× 小橋賢児ライブエンタメ対談

4回にわたってお届けする第3弾記事では、実際にアイデアを形にする際の具体的な交渉作業、そしてスポンサー集めに話題が及んだ。 企業がライブエンターテインメントに投資すべき理由とは。

■交渉は一つ一つの積み重ねから「行政の中のリベロ」を探せ

齋藤精一(以下、齋藤):先進的なイベントを行う際には、地元の人や行政への交渉が大変ですよね。小橋さんは、どのように説得されてきましたか?

小橋賢児(以下、小橋):「STAR ISLAND」の際には、最初に格好良いPVを作りました。これを見せたところ、感度の高い人たちは「面白そうじゃん」と言ってくれた一方で、そうではない方々に「プロジェクションマッピングでしょ」などと言われ、リアルな花火のイベントだと思ってもらえませんでした。

落合陽一(以下、落合):規制は言語で記述されているから、イメージできない人に説明するの難しいですよね。

小橋:前例のないイベントを説明する際は、世界の似たような事例をつなぎ合わせて説明するしかありません。言葉と絵と映像を使って必死に説得します。しかし、「こんなのできないですよ」、「いや、僕らのイベントはこうじゃなくて、こうなんですよ...」といったやり取りが日常茶飯事で、役所をたらい回しに合うことも少なくありませんでした。十人十色の考え方があり、十人を十人同じように説得するのは難しい。

でもそうやって一つ一つ積み重ねていくうちに、あるときに助っ人みたいな方が現れて助けてくれたりします。

齋藤:いますよね、行政の中で世話をしてくれる人が。僕はそんな人たちを、「行政の中のリベロ」と呼んでいます。

アイデアは最初に構想したものが一番良い状態だと思っています。スポンサーとの調整、法や条例との兼ね合い、会場の設備といった現実的な問題をクリアしていく過程で、最初の発想をどれだけ残せるかが重要です。

小橋:そうですね。でも、逆に規制のおかげで発想が転換できてより良いものが生まれることもあります。たとえば、規制の緩い海外ではビルから火を出せる都市もありますが、日本の消防法ではできません。

世界とのギャップをどう埋めるかを考えていく中で、3Dサウンドやライティングのアイデアが生まれました。日本の規制の中でどう実現するかを考えていくうちに、逆に日本独自の発想が生まれてくることもあるのではないでしょうか。

1/3ページ

最終更新:8/9(水) 15:00
SENSORS