ここから本文です

植田真梨恵「空っぽなことは良いこと」砂漠に咲く小さな花と音楽/インタビュー

8/9(水) 13:20配信

MusicVoice

 シンガーソングライターの植田真梨恵が9日に、7枚目のシングル「REVOLVER」をリリース。15歳から大阪でひとり暮らしをしながら音楽活動をおこない、インディーズを経て2014年にシングル「彼に守ってほしい10のこと」でメジャーデビュー。耳に残るキャッチーなメロディと刺激的な歌詞が生み出す、独自の世界観は音楽シーンでも異彩を放っている。今作表題曲の「REVOLVER」は、「もし自分がロックバンドに楽曲提供するとしたら、という設定で20歳の頃に作った」と言う、遊び心が満載された楽曲。自身を客観視しながらの楽曲制作や、歌詞に込めた人生観など話を聞いた。

人間としての根源的な気持ち=恋する気持ち

――「REVOLVER」は、ロック色の強いバンドサウンドで、メロディもキャッチーですね。

 この曲を書いたのは、私が20歳くらいの時です。今回、大阪のテレビ番組ABC朝日放送『ビーバップ!ハイヒール』で使っていただくことが決まり、せっかくなのでより多くのみなさんに聴いて欲しいと思って、シングルとしてリリースすることになりました。

――当時は、どういうイメージで書いたのですか?

 その当時は、何かに取り憑かれたように黙々と曲作りをしていた時期で、「もし自分が男の子のロックバンドに楽曲提供するとしたら、どういう曲になるだろう?」という、設定で作った曲です。『ビーバップ!ハイヒール』で流れるバージョンと、このCDのバージョンでは歌詞が少し異なるので、「番組で聴いたからもう良いや」と言わず、ぜひCDのほうも聴いてほしいです。

――サビのメロディがすごくキャッチーで、耳に残る楽曲ですね。

 実は、いろいろな曲をオマージュしていて。それが独特なキャッチーさを生んでいるのだと思います。たとえばBメロで、ラップ風に韻を踏んでいるところは、スパイス・ガールズの「ワナビー」やORANGE RANGEの「上海ハニー」のイメージです。そんな元気でイケイケなところに、アバの「ギミー!ギミー!ギミー!」のようなフレーズが、ドッキングされていて。タイトルの「REVOLVER」も、男性ロックバンドの代表はビートルズだと思ったので、ビートルズのアルバムタイトルを付けました。あと、これは今思えばですが、バスドラのドッドッドッドッという音は、ホワイト・ストライプス(米・ロックバンド)っぽくも聴こえますね。

――音楽的な遊び心が施されているわけですね。Bメロの裏では、主メロとコーラスの声が重なって、すごく混沌とした感じになって面白いですね。

 まさしく“混沌”も、この曲のテーマの一つです。そもそもこの歌詞は、とても素敵な女の子に心を撃ち抜かれた男の人の気持ちを描いています。形のない幻影みたいなものを追いかける様子と言いますか…。でも根本にあるのは、人間としての根源的な気持ち=恋する気持ちです。どうしようもなく人を好きになると、自分を見失ったり、訳が分からなくなったりしますよね? それを混沌で表現しています。

――20歳の頃に作った曲をほぼ当時のままの形で出すことには、照れくささみたいなものはありませんか?

 「REVOLVER」は、自由帳に好きな絵を自由に描く感覚で出来た曲なので、その時の私が想像した景色を、今の私がそのままの形で表現することが、この曲にとっての昇華だと思っています。それに、そもそもが架空のロックバンドに提供するという設定なので、どこか客観的に捉えているところがあるのかもしれません。

――客観的な目が、一度入っているわけですね。

 シンガーソングライターには、多かれ少なかれそういうところがあるんじゃないかと思います。魂の叫びを歌いながら、一方で自分自身をプロデュースしているわけですから。特に20歳の頃の私は、そういう目線がピークで、「植田真梨恵にこういう曲を歌っていてほしい」と、考えて作ることが多かったです。いかんともしがたい、自分の想いをただ歌うような感覚で作れるようになったのは、「夢のパレード」とか「スペクタクル」とか、わりと最近のような気がします。

――MVは、手作り感満載の人形劇で、動画サイトで早くから話題になっていましたね。

 せっかく作るのなら、可愛らしくて面白くて、クスッと笑えて。それも、手作り感のあるB級映画のようなMVを作りたいなと。この歌詞自体イメージ的な表現が多いので、MVを観ていただいたほうが、想像を広げてもらいやすいだろうと思います。ダンボールを切ったり色を塗ったり、何日も事務所に籠もって作りました。

――動かすのは、スタッフ総出で。

 私は、インディーズ時代から現在まで、同じスタッフと一緒に歩んで来ているので、ずっと私のことを支えてくれているスタッフみんなの“手”が、いっぱい出てくる作品になったら面白いと思って。マネージャーを始めデザイナーなど、私に関わってくれているいろんな方に、人形を動かすのを手伝っていただきました。初回生産完全限定盤に付属のDVDには、MVのメイキングを収録しているので、これもぜひ見て欲しいですね。

――「REVOLVER」のMV制作で、いちばん大変だったのは、どんなところですか?

 教会のシーンで、神様の像を最初は発砲スチロールで切り出そうとしたらすごく大変で。結局、石膏粘土で作りました。像を造るのは初めてで、勝手が分からず大変でした。後は、とにかくダンボールを真っ直ぐに切ったりとか、何かを切る作業が多くて、手が筋肉痛になって大変でした。

――もともと、そういう物作りが好きなのですね。

 工作とか絵を描くとか、創作が好きで。小学生の頃から、歌と工作だけは褒められていたので、その感覚のまま今もやっている感じです。

――じゃあ道がちょっと違ったら、『できるかな』のノッポさんみたいになっていたかも?

 本当にそうですね。私の世代は『つくってあそぼ』のワクワクさんなので、ノッポさんも知っていますが、小さい頃にいつもテレビにかじりついて見ていたのは、ワクワクさんでした。今からでも、ワクワクさんになれるならなりたいです(笑)。

1/2ページ

最終更新:8/9(水) 13:20
MusicVoice