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少額インデックス投資入門(6)。大型・小型インデックスの使い分け

8/9(水) 20:40配信

ファイナンシャルフィールド

インデクス投資というと、日経225、TOPIXやNYダウを思い浮かべますが、最近値を飛ばしているのは、むしろ小型株指数と言われています。

例えばTOPIXですが、東証一部全銘柄で構成されていて、2017年6月時点では2000銘柄以上にも及びます。

これは時価総額(株価×発行済株式数)で大型のものも小型のものも含まれていますが、この大型株、小型株というのは一体何を基準にして分けられているのでしょうか? 分けることにどんな意味があるのでしょうか? これらのグループでは何か特徴的な違いはあるのでしょうか? 実はプロの投資家はグループ分けが大好きで、このグル―プの特徴で投資戦略を立てます。

今回はこのサイズごとの値動きの特徴を理解して「森を見て木(個別銘柄)を見る」投資を実践しましょう。

指数ごとの顔ぶれや特徴

東証一部に上場されている全銘柄のうち、時価総額(株価×発行済株式数)と流動性の高さで上位100位までに入る銘柄は、大型株と定義づけられ、東証一部全体の時価総額の60%を構成しています。
400位までが中型株で構成比としては30%、小型株は10%弱となっています。

それぞれの銘柄の顔ぶれとしては、大型株がトヨタ自動車、NTT、NTTドコモ、三菱UFJフィナンシャルグループ、ソフトバンクグループ(2017年6月23日現在)、中型株は日清食品、東洋紡、昭和電工、小型株は大林道路、第一パン、スタジオアリスなどとなっています。

なぜこのようなグループ分けが必要かということですが、これは機関投資家が運用の対象となるかどうかの目安とするためというのが理由の1つです。
年金や投資信託などの巨額資金を運用する投資家にとっては、流動性が高いことが非常に重要になります。

例えば、1,000億円の資金があったとしてこのうち構成されている銘柄が100銘柄だとします。そうすると、イコールウエイトだったとしても、1銘柄あたり10億円ですね。これがトヨタ自動車であれば株価は5,856円。17万株を売り買いしなければなりません。

トヨタ自動車のように流動性が高い(取引量が多い)銘柄であれば、出来高が一日で300万株。300万株のうち17万株ですから、市場全体の売買量の約6%ということになり、この機関投資家の売買でトヨタの株価が大きく影響を受けるということはありません。

ここで、例えばレオパレス21のケースを考えてみましょう。株価は673円(2017年6月26日終値)で、出来高は175万株です。10億円分を買おうとすると、148万株を買付けしなければなりませんが、1日の買いをすべて1機関投資家で買いきることになります。

このように無理に買おうとすると、自分たちの買いのせいで、「あっ、大口の買い手がいるぞ」という動きを察した別の売却希望の投資家は売値(機関投資家にとっては買値)を吊り上げてくるでしょう。

これを避けるために、機関投資家は個別銘柄を売買する時は1日の市場全体の取引量の4分の1以下に抑えることが一般的です。ということは、このケースでは買切るためにはほぼ1週間かかることになります。その間にレオパレス21の株価が大きく上昇したり下落したりしますから、そのたびに買付けの株数を計算し直さなければなりません。

こういった理由で、機関投資家は、小型投資には消極的です。利益成長が期待できるからという理由だけで投資しようとすると、時間もかかります。

1日当たりの投資株数を考え、自分たちの買いのせいで株価を吊り上げる事態を避けるために、余計な計算をしなければなりません。売却時にも同じ手続きを踏まなければなりません。

このことから投資対象は大型株(流通量が大きく、買いたいときに1日で売り買いの取引が完結するもの)に集中しがちです。一方、個人投資家は、大量に売り買いするわけではないので、市場の取引量を気にすることなく、売り上げや収益動向だけを判断材料として投資すればいいことになります。

大型株の値動きが激しいと機関投資家が本格的に動いていると判断され、小型株の価額が動いていると個人投資家が活発に売買しているととらえられます。

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