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輪島塗キリコ、コツコツ400個 職人馬場さん、保育園などに模型贈る

8/9(水) 2:01配信

北國新聞社

 輪島市輪島崎町の輪島塗上塗り職人、馬場(ばんば)謙一さん(75)は、輪島大祭で乱舞するキリコのミニチュア模型を輪島塗で作り、福祉施設や保育園などに贈り続けている。38年前、師匠の兄から贈られた模型に感動し、「自分も人を喜ばせたい」と本格的に作り始めて7年。完成した点数は400を超えた。22~25日の輪島大祭を前に知人らにも贈っており、祭りの機運盛り上げに一役買っている。

 キリコの模型は高さが30~45センチある。馬場さんは「趣味の延長」として、仕事の合間にホームセンターで購入したベニヤ板を加工して組み立て、自身の技能を生かし、漆を丁寧に塗って仕上げている。

 制作の原点となったのは、1979(昭和54)年に結婚祝いとしてプレゼントされた、高さ約20センチの小さなキリコ模型だった。塗りの師匠平野栄治さんの兄で、生まれた時から手足に障害があった欣三さん(輪島市河井町)が作った。体が不自由な欣三さんが、模型を手作りしてくれたことに感激した馬場さんは「自分もいつか、人に喜ばれる模型を作りたい」と願ってきた。

 仕事にゆとりが出てきた7年前から本格的に制作を始めた。2014年に欣三さんが91歳で死去してからは、1点1点に追悼の思いも込めている。これまでに約70点を福祉施設などに寄贈し、施設の利用者からは「キリコを担いだ若い頃を思い出す」と喜ばれているという。

 馬場さんは、仕事の合間を縫って模型作りに打ち込み、10個を1週間程度で仕上げている。自宅作業場の棚は既に模型で埋まり、妻なつ子さん(68)は「もう置く場所がないからやめてほしいけど、止めることができない」と諦めた様子で笑った。馬場さんは「人が喜ぶ顔が見たくて作り続けているだけ。少しでも輪島大祭のPRに役立てればうれしい」と話した。

北國新聞社

最終更新:8/9(水) 2:01
北國新聞社