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市長が受験者の点数水増し指示 山梨市職員不正採用

8/9(水) 9:59配信

日刊スポーツ

 山梨県山梨市の職員不正採用事件で、警視庁捜査2課が、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで逮捕した市長の望月清賢容疑者(70)の関係先から、合格の依頼を受けた人物とみられる複数の名前と数字が書かれた資料を押収していたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。また、複数の受験者の1次試験の点数を水増しするよう指示した疑いも判明した。捜査2課は同日、市長室などを捜索。望月容疑者を送検した。

 捜査関係者によると、警視庁は、得点を水増しする見返りとして受験者側から金銭を受け取っていた可能性があるとみて、数字が書かれた経緯を追及し、加重収賄の疑いも視野に捜査を進める。

 市によると、一般教養などを問う1次試験の筆記テストは県外の民間業者に作成と採点を委託。受験番号と点数のみが届く。採用担当の職員がデータに受験者名を入れた一覧表を作り、採用を担当する望月容疑者、副市長、教育長、秘書人事課長の4人に配った。警視庁は、望月容疑者が、自身が採点段階で関与できない1次試験の点数一覧表で、各受験者の水増しをさせた疑いがあるとみている。

 捜査関係者によると、複数の名前や数字が書かれた資料は望月容疑者の元妻の望月治美被告(61)が詐欺罪で起訴された事件に絡み、警視庁捜査2課が行った家宅捜索で見つかった。この受験者は1次試験の合格ラインを下回っていたが、点数水増しで2次試験に進み、職員として採用された。

 また、望月容疑者から指示を受けた採用担当の職員は、複数の受験者の得点水増しを指示されたと話しているという。警視庁は担当した職員の立件の可否も検討している。

 採用メンバーの丸山一朗秘書人事課長はこの日、日刊スポーツの取材に「不正が行われていたという記憶はなく、新聞で知った」と不正への関与を否定。水増しを受けた人数については「具体的なところまでは分からない」とした。また、飯島尚敏副市長(62)はこの日、市役所で取材に応じ「大変お騒がせして申し訳ない」と謝罪した。事件の詳細については「話せる状況ではない」として明言を避けたが、職員の採用方法については「見直しも考えねばならない」と述べた。

 昨年9月18日に実施された1次試験(筆記)には57人が応募し、31人が合格。同年11月6日に行われた小論文と面接による2次試験に17人が合格した。2次試験は前市長時代に市長の関与が廃止されたが、望月容疑者が復活させた。

 ◆加重収賄罪 公務員が職務に関して賄賂を受け取ったり、要求や約束をしたりして職業上の不正行為をした場合や、必要な職務をしなかった場合に適用される。罰則は1年以上の有期懲役。(単純)収賄罪の場合は罰則が5年以下の懲役となり、加重収賄罪の方が重くなる。

 ◆大分県教育委員会の不正採用事件 大分県教委の07年度の教員採用試験の点数水増しによる21人の不正採用が08年に発覚。県教委は08年9月、6人の採用を取り消し、14人の自主退職を認めた。不正合格した教員には、元小学校校長や県教委参事の子どもたちが含まれ、金銭の授受があったとして贈賄、収賄の罪に問われた。

最終更新:8/17(木) 7:01
日刊スポーツ