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ドルが一時110円台割れ、北朝鮮情勢警戒でリスク回避-クロス円下落

8/9(水) 10:49配信

Bloomberg

東京外国為替市場のドル・円相場は一時1ドル=110円台を割り込み、約8週間ぶりの安値を付けた。北朝鮮情勢への警戒感を背景にリスク回避の円買いが優勢となった。

9日午後3時40分現在のドル・円は前日比0.3%安の110円04銭。朝方に付けた110円36銭から、一時109円74銭と6月15日以来の水準までドル安・円高が進んだ。その後は下げ渋り、午後に入って110円台まで戻した。円は主要16通貨のうちスイスフランを除く15通貨に対して上昇。

ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、「トランプ米大統領がどこまで本気で北朝鮮を攻撃するかどうかは分からない中で、円買いの継続性を担保するには追加情報が必要」と指摘。ドル・円については、「今の状況であれば109円割れはなくて、せいぜい突っ込んでも109円半ばくらいで止まると思う。ただ本当の武力衝突不安ということになると、リスク回避の円高になってくる」と述べた。

米紙ワシントン・ポストは8日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載可能な小型核弾頭を開発する能力があると米当局分析として報道。これを受けて、トランプ米大統領は、北朝鮮が米国を脅し続けるなら、同国は「火と怒り、そして単刀直入に言えば、世界がこれまでに目にしたことがないような力に見舞われることになるだろう」と発言した。

一方、朝鮮人民軍戦略軍報道官は9日、朝鮮中央通信(KCNA)を通じて声明を発表し、北朝鮮が米領グアム島への中長距離弾道ミサイル「火星12」の発射の作戦計画を検討していることを明らかにした。

9日の東京株式相場は大幅続落し、日経平均株価の下げ幅は一時300円を超えた。一方、アジア時間外取引で米10年債利回りは一時2ベーシスポイント(bp)低下の2.24%程度まで下げた。

クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が下落。ユーロ・円相場は一時0.7%安の1ユーロ=128円72銭と7月19日以来の水準まで下げた。豪ドル・円相場も一時1.2%安の1豪ドル=86円29銭と7月7日以来の安値を付けた。8月の豪ウエストパック消費者信頼感指数が低下したほか、中国の7月の消費者物価指数と生産者物価指数がいずれも市場予想を下回ったことが重しとなった。

クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、お盆休みを控えて「カレンダー的に調整が入りやすいところ、地政学リスクの高まりがきっかけとなり、リスク資産売却の動きが進むとの読みから株やクロス円に売りが出た」と分析。ドル・円の109円台後半は買いが入りやすい水準としながらも、「参加者も少なく、カレンダー要因も加わるため、インパクトが大きくなり、押し目が深くなる可能性もある」と言う。

Yumi Ikeda

最終更新:8/9(水) 15:40
Bloomberg