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CLOWD 試練を乗り越えみんなで作り上げた初の全国ワンマンツアー初日

8/10(木) 15:00配信

エキサイトミュージック

CLOWD初となる全国ワンマンツアー『バタフライ・エフェクト-不死蝶』が8月5日、東京・池袋EDGE公演から幕を開けた。ツアー初日でもあり、リーダーの猟平の誕生日でもあった特別な一夜の模様をお届けする。

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CLOWDのライブの前には、HIKARU.(Vo/ex.カメレオ)、Leo(Gt/弾丸NO LIMIT)、Rian(Gt/ex.the LOTUS)、猟平、チャーリー(Dr/ex.Smileberry)による猟平バースデイSPECIAL BAND“いつも以上に構われ隊”によるセッションが披露され、「HONEY」や「ヴァンパイア」など猟平のルーツとなるバンドのカバーを中心に5曲を演奏し、会場の空気を温めた。

関係者エリアまで解放され、超満員のオーディエンスがCLOWDの登場を今か今かと待ち侘びるなか場内は暗転し、メンバーが海賊に扮した衣装で登場すると、フロアからはひと際大きな歓声があがった。そのままライブが始まると思いきや、持っていたベースをKOUに渡し、代わりにマイクを手にした猟平が「飛ばしていくぞ東京!」と煽ると、猟平ボーカルのまま「ANTITHESE」がスタート。本職がベーシストなのを疑うほどのハイトーンボイスで楽しそうに歌う猟平は、「楽しんでいこうぜ!」とさらにフロアを煽ったが、あの瞬間を一番楽しんでいたのは間違いなく猟平本人のはずだ。

中盤では9月13日にリリースされる新曲「紅い意図」を初披露。サビでぐっとテンポが落ち、KOUが感情たっぷりに歌い上げるこの曲は、これまでのCLOWDにはなかったテイストで、「今までになかった毒のあるCLOWD」(KOU)に仕上がっている。

続けて「頭振るの好きだろ?」の煽りで始まったのはこちらも初披露の新曲「我武者羅」。樹の高速バスドラと猟平のスラップで突っ走るファストナンバーで、フロアも負けじとヘッドバンキングで応戦し、この日初めて聴いたとは思えない盛り上がりを見せた。

KOUの「今日という日に、こいつ(猟平)に伝えたい贈り物がある」の言葉と共に始まったのは<ねえ 君に受け取って欲しいんだ。贈ろう 最高のGIFTを。>という歌い出しで始まる「GIFT」だ。<君を想う幸せはきっとここにあるから。>でフロアを指差して歌うKOUが印象的で、歌詞の通りこの場所がこの先も喜びに溢れますようにと思えるアクトだった。

ここからライブはラストスパートに突入する。「声を聞かせろ!」と始まった「エルゴ領域」でアクセルを踏み、そのまま「バタフライ・エフェクト」に入ろうとしたところ、イントロでシーケンスにトラブルが発生し、音がブツブツと途切れて止まってしまったのだ。ツアー初日にはトラブルがよくあると言うがここまでのトラブルを目にするのは初めてで、オーディエンスも私も驚きを隠せなかったが、次の瞬間、袖からケーキを持ったいつも以上に構われ隊のメンバーが登場することで状況は一変、笑いに変わる。そう、全ては猟平以外のメンバーによって仕組まれたバースデイサプライズだったのである。シーケンスのトラブルもメンバーによって作り込まれたもので、その出来栄えは猟平の「マジで心臓に悪い!」というリアクションでもおわかりの通り、かなり手の込んだイタズラだったようで、猟平を驚かせてお祝いしようとした冬真と庵は無邪気な子供のような顔で種明かしした。

ライブは仕切り直されるかと思われたが、なんとKOUの声が出なくなってしまうという正真正銘のアクシデントに見舞われてしまう。なんとか声を振り絞ろうとするKOUと、KOUが歌えないところは他のメンバーが代わる代わるマイクを取りサポートする姿に胸を打たれ、このバンドの絆を見た。

そして、ライブはそのまま少し不自然な流れで幕を閉じることとなる。というのも、事前に配布されたセットリストには本来であれば「Child's Dream」が本編ラストに組み込まれており、バンドとしても大きな意味を持つ曲なだけに不完全なものを見せるわけにはいけないという判断で止むを得ず急遽セットリストを削り、本編の幕を閉じることとなったのだろう。

KOUの声を心配する声と、アンコールを求める声が入り混じる中、アンコールは無いのではないかと少し心配もしたが、彼らはしっかりとアンコールに応えてくれた。まずはTSUTAYA O-WESTのフリーライブでも披露された猟平と樹によるリズムセッション「Groovy Boyz」。いま思えば、このセッションも少しでもKOUの喉を休める時間を作ろうと急遽決めたことだったのかもしれない。

満を持してKOUが登場し、「一緒に歌おう」と始まったラストナンバーは「キミトボクラ」。もちろん満足に歌える状況でないにも関わらず、必死に歌うKOUに猟平が耳打ちをしたのを私は見逃さなかった。おそらく「辛かったら僕が歌うからマイクを僕に向けて」とでも話したのだろう。そこからはほとんど猟平が歌っていたように思う。

アンコールをやらないという選択肢ももちろんあっただろう。しかしCLOWDは最良の選択をしたと思う。バンドを、メンバーを、ファンを、愛しているからこそ、誰も悲しませないようにとった行動であり、そこにバンドとしての絆や愛を見せつけられた。もちろんツアー初日から試練が立ちはだかり、悔しい思いをしたとは思うが、彼らなら必ずや未来への糧にしてくれることだろう。

蝶は輪廻転生の象徴とされており、新しい自分になる、美しく強く変化する等の意味を持つと言われている。まさしく不死の象徴なのだ。何が起こっても立ち向かい、乗り越え、美しく強く、そして逞しくしなやかに変化していく不死蝶へ。

始まったばかりのこのツアーの先々でも様々な試練があるだろう。そのひとつひとつを乗り越えた先にあるツアーファイナル9月17日代官山UNIT公演、さらにリベンジを誓った来年1月8日の3周年TSUTAYA O-WEST公演で彼らに会えることを楽しみにしたい。
(取材・文/小崎恒平)