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セールスフォース、「Service Cloud」の機能をアップデート

8/10(木) 6:00配信

Impress Watch

 セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース)は8日、カスタマーサービスプラットフォームの「Service Cloud」、および同サービスに含まれる機器の設置・保守サービスを行うフィールドエンジニア向けの管理ツール「Field Service Lightning」の機能強化を発表した。

 同日には記者向けの説明会を開催し、その詳細を説明している。本稿では、その模様をレポートする。

■Lightningに対応したService Cloud

 カスタマーサービスの運用を支援するクラウドサービスであるService Cloudには、「Lightningサービスコンソール」「Service Out-of-the-Box」「Service Cloud Mobile App」の機能が追加された。UIがLightningコンポーネントで構成されており、画面を自由にカスタマイズできることも特徴となっている。

 Lightning サービスコンソールは、カスタマーサービス担当者向けの統合的なデスクトップ環境。カスタマーサービスの生産性とスピードを向上する。主な機能には「Kanbanビュー」と呼ばれるケースごとのダッシュボード機能、顧客コミュニティ内の参照履歴などを視覚化する「Community Agent 360」、統合検索機能、マクロビルダーなどがある。

 Kanbanビューでは、これまでリスト表示だった顧客からの問い合わせがパネル表示となり、視覚的に優先順位などを把握できるようになっている。

 Community Agent 360では、マイページを提供したりFAQを公開したりする機能である「Community Cloud」において、顧客がどのような情報を参照したか、どのようなコメントを投稿したかといった情報を提供する。セールスフォース マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアマネージャーの大森浩生氏は、「例えば顧客がすでにFAQを参照しているにも関わらず『FAQをご覧ください』といった案内をすれば顧客はイラっとする。どのような情報を参照しているかをカスタマーサービス担当者が把握していれば、新しい情報を提供することができる」と説明した。なお、Community Agent 360は現在パイロット版となっている。

 強化された統合検索機能では、Salesforceの情報だけではなく、GoogleドライブやDropbox、Boxといった外部のデータもService Cloudから検索できるようになった。複数のツールを利用して検索するといった手間を省き、一元的な情報検索を可能にしている。

 マクロビルダーは、繰り返し行う作業をマクロによって自動化する機能だ。例えば顧客からの問い合わせの対応が完了した際、複数の項目を更新して保存するといった定例作業を登録することで、カスタマーサービス担当者の作業を短縮して生産性を向上することができる。

 Service Out-of-the-Boxは、カスタマーサービスセンターを短期間で構築するサービス設定機能。ウィザード機能なども用意されており、クリックするだけでシステム管理者はカスタマーコミュニティやナレッジベースを追加したり、Eメール、Facebook、Twitterのフィードに接続することができるようになるという。

 Service Cloud Mobile Appは、Service Cloudをモバイルデバイスから利用するためのアプリで、iOS版とAndroid版が提供される予定となっている。移動中でも顧客対応が可能になるほか、プッシュ通知によって緊急対応が必要な問い合わせにも迅速に対応できるようになるという。

 Lightning サービスコンソール、Service Out-of-the-Box、統合検索は、いずれかのService Cloudのライセンスを持ったユーザーであれば追加料金なしで利用が可能であるという。なお、マクロビルダーは2017年後半の提供開始予定となっており、Service Cloud Mobile Appも同じく2017年後半にパイロット版の提供が開始される予定となっている。

■フィールドエンジニア向けツールにAIによる画像認識機能を追加

 フィールドエンジニア向けツールField Service Lightningには、人工知能(AI)技術による画像認識機能「Einstein Vision for Field Service」、現場ですぐに実行できるインサイトを提供する「Field Service Analytics」、作業に必要な作業人員や機材などを把握してリソースを最適化する機材と在庫管理機能などが新たに追加される。

 Einstein Vision for Field Serviceは、事前に画像認識AI「Einstein Vision」に製品や部品の画像を学習させることで、エンジニアが現場で対象を撮影するだけで、正確な製品タイプや修理に必要な機材や部品を特定できるという。

 例えば食器洗浄機の給水バルブを交換するといった修理の場合、部品の外観やシリアルナンバーが似ているため、作業が複雑化することがある。しかし、Einstein Vision for Field Serviceを利用すれば、フィールドエンジニアは現場でバルブの画像を撮影するだけで、製品タイプを特定することができるという。また、学習が進むことで認識の精度も向上するため、損傷した製品の画像を学習させることで、修理に必要な機材や部品を現場ですぐに特定するといった機能も実現可能になる。

 Einstein Vision for Field Serviceについて大森氏は、「シリアルナンバーの入っていない部品であっても、AIが画像から特定してくれる。あるいは新しくアサインされたエンジニアでも、対象の製品や部品が何かを現場で特定できるので、時間を節約できる」と説明した。

 Field Service Analyticsは、フィールドサービス全体を管理するマネージャ向けのダッシュボードだ。フィールドエンジニアの平均作業時間や平均移動時間といった指標をすぐに利用できるため、例えば特定の作業においてこのエンジニアの作業時間は平均より速い、あるいは逆に遅いといった情報から、作業割り当てを変更したり、実地訓練をセットアップするなど適切な指示を出すことができるようになる。

 機材と在庫管理機能は、作業に必要なエンジニア、機材、あるいはトラックなどの車両の情報を正確に把握し、適切なリソースの割り当てを可能にする。例えば「修理に必要な機材を積んでいるトラックで移動中のエンジニア」を絞り込むことで、機材を取りに戻るといった移動時間を検討することなくスケジューリングを最適化できるという。

 Field Service Analyticsと機材と在庫管理は、Field Service Lightningのライセンスを保有しているユーザー向けに提供を開始しており、価格は1組織当たり1万8000円からとなっている。なお、Einstein Vision for Field Serviceは現在パイロット版を提供しており、2018年前半に一般提供を開始予定している。

■ポイントソリューションではなくトータルソリューション

 セールスフォース マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアディレクター 御代茂樹氏は、カスタマーサービス分野におけるセールスフォースの強みについて、「セールスフォースでは、セールス、サービス、マーケティング、コミュニティ、アナリティクスなど複数の部門で必要なソリューションをトータルで提案し、実現できる。ポイントソリューションを提供他社のサービスと比較した結果、セールスフォースを選んでいただけることが多い」と説明した。

クラウド Watch,北原 静香

最終更新:8/10(木) 6:00
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